農業の業種を知ろう
農業で求人数の多い業種を紹介します。「農業」と言っても、野菜から生き物まで実に様々です。業種によって主な勤務時間や繁忙期も異なってきますので、あなたの希望の働き方を考えながら、情報を集めてみてください!
業種についての説明
酪農 |
酪農とは、乳用となる家畜を飼育し、搾ったミルクを販売・加工製造することを指します。実は「酪」という漢字は、一文字で「牛やヒツジ、ウマのミルクから作った飲み物・製品」といった意味なのです。日本では牛が主となっていますが、約1万年という長い歴史を持つ産業です。 |
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肉牛 |
食肉を得るために飼養されている乳用牛以外の牛のことで、飼育することを畜産といいます。肉牛の生産では、母牛に子牛を産ませて育てる「繁殖」、牛の市場で子牛を買って育てる「肥育」の2種類があり、両方を行う牧場や専門的に行う牧場もあります。仕事の種類も、繁殖、肥育、子牛の哺育や、牧草収穫などがあり、酪農家と比べると時間的にゆとりのある業務内容になります。 |
養豚 |
食肉となる豚の飼養に関わる仕事を養豚と呼びます。 牛の場合と比べると、繁殖~肥育までを一貫して行う経営方式が68%以上を占めます。繁殖のための種豚(しゅとん)の改良や出荷、繁殖と子豚の育成、子豚を食肉に育て上げる肥育と、3つの分野のいずれかを専門とする場合もあります。 |
養鶏 |
養鶏とは、農業分野の畜産の一種で鶏を飼育することです。卵を生産する採卵(鶏卵)や食用(鶏肉)とする目的で鶏を飼うことを指します。大多数の肉用の鶏はブロイラーと呼ばれる限られた特定の品種で、採卵用の鶏をレイヤーと呼び、ひよこの雌雄の選別は人手により行っています。また、通常はケージに入れて飼うのですが、こだわり鶏の生産などでは、平飼いを行っている養鶏場もあります。 近年では、一つの養鶏場で数十万羽飼育するといった大規模養鶏場も一般的になっており、GPセンター(洗卵・選別・包装を行う施設)を自社で完備して生産から出荷まで一貫して行っている養鶏場もあります。 |
競走馬/乗馬クラブ |
競馬に出馬する馬を育てることが牧場のミッションです。繁殖生産牧場・育成牧場があり、繁殖から育成まで一貫して行っている牧場もあります。 仕事内容は、放牧・収牧、馴致(じゅんち)、調教が主となります。基礎からはじめ、「レースで勝てる馬」としてのトレーニングを行います。また、この業界には、騎手、厩務員、調教師、調教助手、牧場作業員など、様々な役割を持った人たちが活躍しています。 ご自身にあった業務を、適職として選択することができます。 |
露地野菜/畑作 |
露地とは、ハウスやトンネルなどの施設を利用せずに、野外で、野菜を自然の状態で栽培することです。霜にあうと枯死してしまうトマトやキュウリなどは生育適温が高いので露地栽培できる時期は限られます。 一方でレタス、キャベツ、白菜などは霜害をうけにくく、露地栽培のできる期間が長く、品種や栽培地域を変えることによって露地での周年栽培も可能です。 また、露地野菜は農家を始めるにあたって比較的、初期投資費用が少なくて済む業種。1年目から収穫できて、作物によっては年間で数回収穫ができるのも魅力の一つです。 |
施設野菜 |
施設野菜とは、ビニールハウス・ガラス温室などの施設で栽培する野菜を指します。気温や水分、光量、土壌といった様々なポイントを人為的に管理することによって、季節や天候に左右されにくく、通年で安定した生産量を確保できます。また、露地野菜に比べ手間はかかりますが、様々な栽培技術で付加価値を高め、高所得を得られるのも特徴です。 |
植物工場 |
植物工場とは、植物の生育環境を管理し、野菜等の植物の周年・計画生産が可能な栽培施設です。 光や温度、湿度、二酸化炭素濃度、養分、水分等をコントロールし、生育過程をモニタリングするのが主な業務になります。 設備投資に莫大な費用が掛かりますが、天候に左右されることがないので安定的に生産・出荷ができるのが特徴です。 生産物として多いのは葉物系の植物で、リーフレタス、ハーブ類(ルッコラ・バジルなど)、小松菜、ほうれん草などがあります。最近では「エディブルフラワー」も生産されています。 |
稲作 |
稲作とは、私達の主食となる米を実らせる稲を栽培することです。現在では米生産の約90%をアジアが占めており、それぞれの環境や需要にあった品種が用いられます。 日本の稲作は「水稲(田んぼに水を張り、苗を植えて育てる)」が大半を占めますが、畑で稲を育てる「陸稲」も存在します。 最近では、美味しい米作りのため、苗作り、清流、稲穂の管理、様々な農法など、こだわりの米作りを提唱する稲作農家も増えております。 |
果樹 |
果樹(かじゅ)とは、栽培した植物から果実を食用として育てる業種です。 日本では、気候や立地に応じたさまざまな果樹が栽培されています。東北地方を中心としたリンゴ、西日本を中心としたミカンなどのかんきつ類、山梨県のモモやブドウ等が世界的にも人気です。日本で最も栽培されている果樹はミカンで、栽培面積、収穫量ともに最大です。 ブランド産地や、果物を加工品(ジュース、ジャムドライフルーツなど)として販売する「6次産業化」が推進されている点も、果樹生産の特徴の一つです。 |
花/観葉 |
花/観葉の業種では、観賞用になるような美しい花の栽培を行っています。色彩、模様・造形美を鑑賞される嗜好品であり、リラクゼーションの効用があります。家庭などのほか、ホテルのロビーや美容室、飲食店などの店舗、オフィスなどにも置かれており、フラワーショップ、ホームセンターなどでも入手可能です。 新しい品種を作り出すために、育種から生産までを一貫で行う花卉生産者が多いのも、花業界の特徴です。主な仕事内容としては、水やり、植替え/鉢上げ、出荷、育種などがあります。 |
観光農園 |
観光農園とは、字のごとく観光と農業を組み合わせた農場経営のことです。例えば、果物の収穫体験や加工品作りの体験、農家直営レストランなどがあります。年間を通して作物を変えながら体験の受け入れを行っている農家もあれば、果樹農家などは初夏~秋までの間の収穫時期に限定して体験を受け入れします。 仕事内容としては、農場管理や収穫体験の指導、レストランや販売所の運営・接客などがあります。 |
農業機械 |
農畜産業の現場で、人に代わって重労働作業を補助・代行する農業機械。人では難しいスピードや効率アップを実現し、農業生産を飛躍的に進化させてきました。機械を取り入れることは労働環境の改善にもつながっており、労働時間や負荷の軽減・短縮し、新たな担い手の参入ハードルを下げています。最近では、機器を通じて現場のデータを蓄積・分析するほか、ドローンなどの新技術応用も進んでおり、スマート農業の最先端を行く業界です。 |
種苗 |
種苗業界は、メーカー・卸・小売店の3つの形態に分かれます。 メーカーは種苗の開発・生産を担い、病気に強く栽培しやすい品種をつくるため、育種技術やバイオテクノロジー技術をもとに日々研究を重ねています。卸や小売店を通じて農家や一般家庭へ種や苗が届けられます。総合的に様々な野菜を扱う大企業のほか、花や植木など、特定の種類に特化した企業があります。生産性や作業効率など、農家の売上に大きく影響する責任の大きな分野です。 |
農業資材/肥料 |
農業資材とは、農業生産に必要な道具や資材、農薬や肥料などを指します。経営形態はメーカーと商社に分かれ、メーカーでは、肥料専門、ビニールハウスなどの建材専門、植物用の照明専門など、ある程度専門とする分野が決まっています。商社としては、一部の商品を自社開発する場合や、様々なメーカーから幅広い商品を集めて扱う総合商社などがあり、顧客もプロから一般の個人まで様々です。 |