施設野菜

施設野菜とは、ビニールハウス・ガラス温室などの施設で栽培する野菜を指します。気温や水分、光量、土壌といった様々なポイントを人為的に管理することによって、季節や天候に左右されにくく、通年で安定した生産量を確保できます。また、露地野菜に比べ手間はかかりますが、様々な栽培技術で付加価値を高め、高所得を得られるのも特徴です。

生産物

代表的なものは、トマトやイチゴ、スイカといった果菜類や果実系。土壌栽培から水耕栽培まで、栽培技術も様々です。

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✦儲かる施設野菜ランキング

(※10a当たり年度での所得順位)

✦平均の初期投資額

ハウス建設や電照設備などの初期コストが高額となり、手間暇をかけることで収量を増やしていく施設野菜。 新規就農者にとってはハードルが高い分野でしたが、最近では行政の補助金活用や、次世代の環境制御装置の出現により労働力を削減することも可能となってきました。軌道に乗れば、通年で高品質な作物を栽培できるため、高収益を上げることができます。

年間スケジュール

例)トマトの場合
例)いちごの場合

一日の仕事の流れ

AM
  • 6:45~7:30 出勤
  • 7:30~8:50 作業準備
  • 8:50~12:00 作業
PM
  • 12:00〜13:00 昼食
  • 13:00〜17:30 農作業
  • 17:30~18:00 片づけ・退勤

仕事の内容

圃場(ほじょう)準備

排水対策、土づくり、害虫対策など。 例えばトマトやナス、ピーマンといった一部の品目では、同じ場所で連続して栽培すると「連作障害」を起こすものがあります。土壌を消毒するなどして、栽培の土台作りをします。

定植(ていしょく)

育てた苗を圃場へ植え付ける作業のことです。8~9月の高温期は、早朝または夕方に作業します。

光・温度管理

天窓の開閉や、ヒートポンプ暖房装置、カーテンなど利用し、その作物にとって最適な温度・光量を調整します。同じ野菜でも、品種や時間帯によって適正な数値が異なることも。

潅水(かんすい)

水分を与える作業を指します。生育ステージに合わせて、きめ細かく管理します。例えばトマトは過湿に弱く、果実の質を高めるために適度に水分を抑えるといった管理が重要です。

樹体管理

樹体の良好な生育を保ち、品質や収量を安定化するための管理です。養分の奪い合いを防ぎ、風通しをよくする芽かき。実や花を大きくするため、後から伸びてくる茎や枝を摘み取る摘芯(てきしん)など、植物の状態を常に観察しながら行う細かい作業になります。

この仕事の魅力

1. 最先端の栽培技術に触れられる

生産を通じて蓄積したデータを活用し、IT化が進む施設野菜。最近では異業種からの農業参入企業も増えており、様々な分野の技術が応用された新しい栽培法も出てきています。

2. 6次産業化が進んでいる

施設栽培の場合は通年で安定した生産が可能なことから、栽培・加工・販売までを一貫して行う6次産業化の取り組みが進んでいます。加工品の企画や販売など、生産だけにとどまらず様々な仕事を経験するチャンスがあります。

こんな人に向いている!

  • 手先が器用
  • 数字を扱うのが得意
  • 女性も活躍中!

きめ細かい管理が重要な施設野菜は、丁寧で手先が器用な方に向いています。また、数値化した栽培データを扱うため、数字を扱うのが得意な方にも向いているでしょう。施設内での作業になるため、露地野菜と比べて体力面に自信のない方も比較的チャレンジしやすいです。

キャリアステップ

STEP 01
栽培スタッフ

まずは生産する野菜の栽培技術を一通り覚えることから。農業法人などでは、栽培品目ごとに部門が分かれ、専属でその野菜を担当するといったこともあります。

STEP 02
施設長

施設の全体管理に目を向け、新しい技術を積極的に学び生産に活かしましょう。露地野菜に比べ、単位面積あたりの収益幅が大きい施設野菜。工夫の手段がたくさんあります。

STEP 03
責任者、独立

かつては独立のハードルが高かった施設野菜ですが、最近では、行政の補助金や新しい技術を活用し、投資費用を抑えることもできるようになってきました。

以上、施設野菜についてご紹介しました。
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