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農業と消費と文化
世界では4秒に1人が餓死していると言われる今日。私たちがこれから取り組み考え行動すべき事は一体、何のか。
日本人は、古くから米をはじめ麦・粟・豆・稗(ひえ)または、黍(きび)を中心に食生活を送っていました。現在は、科学の進歩として遺伝子組み換え食品や多くの輸入に頼り、国産のものより輸入ものが増え食生活も欧米化されています。そのような中、日本の食料廃棄量は年間1,713万トン。そのうち500〜800万トンはまだ食べる事ができる食品ロスと言われています。
そこでエルシカ消費に注目が集まりつつあります。地球環境に配慮した、または、日々の消費行動から社会貢献を行います。まずは個人の農家・小さなコミュニティとして取り組み、それに対して地域や自治体、国やJAも方向転換や支援、新しいスタイルを取り入れつつあります。新しいものを取り入れつつも農の厳しさを伝える。ここでは、そういった内容の記事をご紹介しています。
『半農半X』という新たな生き方
半農半X 半分は「農」のある小さな暮らしを送りながら、半分は自分の道を追求し社会貢献をしていこうとする生き方、そんな「半農半X」を新しいライフスタイルとする人がいます。 半農といっても、半日を必ず農業にあてなくてはいけないというものでもなく、野菜を育てる場所は小さな庭であったりベランダのプランターでもいいのです。「半農半X」とは自分の出来る範囲で土との触れ合いをもち、他のいのちをも大切に考え実行し続けることです。 他にも、若者の間で静かに話題を呼んでいるものがあります。 それは、ホテルのようなサービス提供をするものではなく、 地域で暮らす人々との交流をはかることを目的としているものです。 それぞれの農家や古民家が体験できる内容を伝え、 私たちは自分の体験したい農家や古民家を選んで、 宿泊できるマッチングサイトです。 野菜や果物の収穫を体験するだけでなく、地元の飲み会に飛び入り参加した、 地元の人しか知らない絶景スポットに連れて行ってもらった、ホタルを見た、移住した人に会って話を聞けた、巻き割りをしたなどその時々でいろんな体験もしています。普段なかなか知り合わない年齢や職業の人たちが、あ
続きを読む遺伝子組み換え作物
遺伝子組み換え 遺伝子組み換え(Genetically Modified)作物は2011年時点でアメリカを中心に世界29ヵ国、1億6,000万ヘクタールの農地で栽培が行われています。 日本の国土面積のおよそ4倍、世界の農地面積の約12%に相当します。 こうしたGMで作られる作物は半数以上が大豆で、その大部分は飼料・加工用です。 他にトウモロコシ、綿実、菜種などが作られています。 近年、GM技術の進歩に伴い、種子の普及も進んでいます。 GM作物は病気に強く農家の除草や殺虫の手間を省いてくれます。 あらゆる気象条件下でも対応できる耐性を持たせて栽培をしやすくしているので、食料の安定供給をすることが出来ます。また、農薬を散布する必要がなくなるため安全性が高まり、さらに大量生産することで安く供給することが可能になると考えられています。 GMは世界の食糧不足を解決する、素晴らしい手段として期待が寄せられています。 しかし反面、GM作物の環境や人間に与える影響については未だ安全性が立証されていないため、危険性を指摘する声も多くあがっています。 日本国内ではすでに、アメリカから輸入されたGM菜種が運
続きを読む雑穀食文化
雑穀 日本では米をはじめ麦・粟・豆・稗(ひえ)又は黍(きび)の五穀を中心に、食生活に雑穀を取り入れる人が増えてきています。白米に比べて雑穀の高い栄養価に注目が集まり、今、雑穀を見直す人が増えてきているのです。しかし日本の雑穀生産者の数は非常に少なく、国産雑穀は全需要の半分以下にとどまっています。というのも雑穀は手作業が多く、収穫に時間がかかるのです。加えて雑穀を調整する機械が老朽化し、精米業者も高齢化して、雑穀栽培は効率の悪いものになっています。日本における雑穀の栽培面積は、この100年で1,000 分の1 以下までに落ち込んでおります。 雑穀といっても栄養素はそれぞれ異なり、種類によって成分は変わってきます。 例えば稗は食物繊維が精白米の8倍以上あり、ミネラルもバランスよく含まれています。 黍は、稗や粟と並ぶ高い栄養価をもち、精白米と比べて新陳代謝を活発にする亜鉛が2倍、食物繊維やマグネシウム、鉄も3倍近く含まれています。 厚生労働省は1日あたり30品目の摂取を呼びかけていますが、雑穀には現代人が不足しがちなビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富に含まれており、雑穀ミックスを白米に混ぜる
続きを読む進化する農業 第六次産業化
六次産業化 今、農業の第六次産業化を推進させようとする動きが活発になっています。 六次産業とは一次産業×二次産業×三次産業からきています。 第一次農業だけではなく、第二次・第三次の農産物加工や新商品の開発や製造・販売を農家自身が全面的に取り組んで、付加価値を生みだしていこうとする取り組みです。 それは観光農園のような地域資源を有効活用したサービスにも及びます。 農業の第六次産業化は農村の振興、雇用創出、農家の所得向上を図ることを目的として、国もバックアップしています。 第六次産業化を行うにあたって、生産者が製造から販売まで全て手がける多角化経営方法もありますが、生産者が食品加工メーカーや流通業者と協力し合って、農商工連携で進めていく方法もあります。生産物納入時に少し加工したり、メーカーの設備やノウハウを活かして新商品を作りだすケースもあります。また生産者と地域が一体となって進めていくやり方を行っているところもあります。 地域資源を使った地域ブランド そんな中今注目を集めているのが、地域資源を使った地域ブランドです。 地域の食材・人材・技術等を集めて、新たな製品や販路、ブランドを創り出そ
続きを読む日本の農業と世界の飢餓
世界の現状 世界では4秒に1人が餓死していると言われています。 世界の食料総生産量は、全世界の人が十分まかなえる量であるにも関わらず、 飢餓人口は9億人を突破しており、その数は毎年増加傾向にあります。 こうした飢餓は、貧困や農地・水不足、戦争、不公平な取引などの要件が 複雑に絡み合い生まれています。 飢餓に悩む国は、広大な土地でカカオや熱帯果実など先進国に輸出するものばかりを栽培しています。残った土地はそういったものが育たない痩せた土地です。そして彼らは安い賃金で労働し取引を行っているため、一向に豊かになれません。 そうした発展途上国の多くは食料自給率が低く、穀物を海外から輸入することになり食料コストがかかります。天候不順で不作になれば穀物市場の価格は高騰し、さらに先進国が大量購入することで価格は吊り上がり、発展途上国はますます食料を購入できず飢餓に苦しみます。 大量廃棄 日本の現在の食糧廃棄量は年間1,713万トン、そのうち500~800万トンはまだ食べることができる食品ロスです。大手ホテルレストランでは自前のコンポストで廃棄された食品から堆肥を作り環境にも配慮し無駄をなくす取り組み
続きを読む日本農業とオランダ農業
オランダ オランダはアメリカに次いで世界第二位の食料輸出国です。 日本の九州ほどの大きさです。 そして、面積当たりの収穫量は非常に高く、例えば1,000㎡あたりのトマトの収穫量は 日本がおよそ20トンに対しオランダでは70トンと日本の3.5倍にのぼります。 オランダは農地を大規模化することで熱やCO2を有効利用し、 栽培品目を抑え集中した品目の大量生産を行っています。 こうした栽培の集約により、研究開発や栽培、輸送や販売など 農業にかかる全てのコストを抑えています。 日本では人口減少に伴い日本市場の縮小を見越して、新たに海外市場へ目を向けようと考える人たちがおり、日本の農業もオランダのように輸出志向に変えていこうという声もあがっています。 まず輸出栽培品目は、国土の広い国は広さを生かし穀物栽培を中心に行っていますが薄利多売です。しかしオランダや日本のような狭い国では、消費量が少なく単価の高い野菜や果物に品目を絞り勝負することになります。そういった野菜や果物は鮮度が命で、輸出先との距離や輸送手段が非常に重要になります。オランダが輸出を盛んに行える背景として、大陸のため陸続きで輸出が出来る
続きを読む農家を支えるエシカル消費
今、「エシカル消費」に注目が集まっています。 エシカル(ethical)とは倫理的・道徳的という意味です。 多少値段が高くても地球環境に配慮したものを選び、日々の消費行動から社会貢献をしたいという倫理観に基づいた消費を「エシカル消費」と呼んでいます。 エシカル消費の代表的なものとして、有機食品の購入・地産地消・スローフード運動などがあげられます。環境問題から貧困や人権問題も視野に入れた新しい社会的消費スタイルです。 エシカル消費の特徴は、化学肥料を使わないオーガニック製品を選ぶだけではありません。環境に負荷をかける企業や人権を守らない企業の製品を避け、積極的に環境問題に取り組んで地域社会に貢献している会社の製品を一番に購入します。 また売上の一部が自動的に寄付金や義援金に充てられたり、サイト上のクリック一つで募金できるなど自らの負担があまりかからない形で社会貢献が出来るシステムも人気を集めています。また、地元産の野菜や果物を選び消費して地元の農家や企業にお金をまわすことで、地域社会の循環にもつなげていこうと考えています。 消費者が商品を選ぶ一つの目安として、LEAFマークがあります。
続きを読む農業とJA
4つの柱 農村では今、4つの柱で農業再編を推し進めています。 1つは、中規模経営を行う農業法人や株式会社などの「法人」です。 2009年12月の農地法改正で、企業の農業参入が始まりました。 2011年の法人数は12,000社を超えています。 2つ目は、「認定農業者」の中核農畜産経営体です。 半数の経営体が、従来の稲作の他に、果樹や花卉、畜産や酪農など複合経営を行っています。 3つ目は、ある一定地域の農家が集まり協力して、「集落営農」を営む人たちです。 個々で営んでいた時に比べ経費の削減や労働時間を減らすことに成功し、所得の向上にもつながっているようです。 最後に4つ目は有機栽培を推進する「エコファーマー」です。今、環境に配慮した持続可能な農業を求める声が多く上がっており、化学肥料や農薬を抑え、堆肥による土づくりを行う人が増えてきています。平成26年4月現在、東京都エコファーマー制度の認定者数は390人、導入面積309haとなっています。 以前の農業従事者は、農業資材や技術提供を始め、融資も含めて一括で農業協同組合JAにお願いする形をとっていました。しかし今は上記のような法人や認定農業者
続きを読む農業の要 土を考える
原点は土 土は言うまでもなく、野菜や果物を育て私たちを養っています。 しかし私たちは普段土に触れる機会もなく、土を意識することはありません。 土は気候・生物・地形といった自然の要素により変わりながら相互に作用し合って、長い時間を経て今の姿になっております。 しかし世界ではこの大切な土が砂漠化し、日本でも土壌が汚染されています。このような状態を作り上げたのは自然現象だけではなく、人間の自然を無視した行動が引き金となっています。 生産者であり分解者の土は、農業にとってとても重要な役割を果たしています。 作物の出来にも人間の健康にも大きな影響を与える土について改めて考えてみたいと思います。 日本の土には様々な種類があります。国土面積の17%は表土から下層土まで火山灰という土です。また水持ちの悪い砂丘の土、水はけが悪く水田に適した沖積土壌、西日本の畑に多く存在する赤く締まった土などがあります。雨が多い日本の土はほとんどが酸性です。お茶は強酸性の土を好む一方、ほうれん草は酸性に弱いため、炭酸カルシウムや苦土石灰で土の酸性を中和させ育てる必要があります。 身体とそのおかれている風土は一体という「身
続きを読む農産物の新たな販路 道の駅
道の駅 平成26年4月、道の駅は全国で1,030駅を突破しました。 来訪者数は年間5億人を超え、およそ3,500億円を売り上げています。 今や大手コンビニエンスストアに引けを取らない巨大マーケットとなっています。 道の駅は自治体が土地を確保し建物を建て、 第三セクターや民間企業が運営する「公設民営」です。 道の駅の役割は、ドライバーに休憩の場を与え道路情報を伝えるだけではなく、 その地域の歴史や文化、観光の発信拠点でもあります。 また地産地消をコンセプトに掲げ地元の食を提供し、 特産品を販売する市場にもなっております。 朝採りたての新鮮な野菜が並び、しかも安く手に入り、 生産者の名前も入っているため安心して購入することができます。 他県からもドライブついでに、あるいは目的地としても たくさんの人が道の駅へやってきます。 地元でしか買えない農水産品、流通にはのらない少量産品も取り扱っています。 中でも地域の特性を活かし「名産ブランド品」を大きく展開しているところは、 売上も伸ばしています。 道の駅は他にもいろいろな取り組みをしています。 季節に合わせた農産加工品の開発・販売にとどまらず、
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