遺伝子組み換え作物

pumpkin_autumn_harvest_208979遺伝子組み換え

遺伝子組み換え(Genetically Modified)作物は2011年時点でアメリカを中心に世界29ヵ国、1億6,000万ヘクタールの農地で栽培が行われています。 日本の国土面積のおよそ4倍、世界の農地面積の約12%に相当します。 こうしたGMで作られる作物は半数以上が大豆で、その大部分は飼料・加工用です。 他にトウモロコシ、綿実、菜種などが作られています。 近年、GM技術の進歩に伴い、種子の普及も進んでいます。 GM作物は病気に強く農家の除草や殺虫の手間を省いてくれます。 あらゆる気象条件下でも対応できる耐性を持たせて栽培をしやすくしているので、食料の安定供給をすることが出来ます。また、農薬を散布する必要がなくなるため安全性が高まり、さらに大量生産することで安く供給することが可能になると考えられています。 GMは世界の食糧不足を解決する、素晴らしい手段として期待が寄せられています。 しかし反面、GM作物の環境や人間に与える影響については未だ安全性が立証されていないため、危険性を指摘する声も多くあがっています。 日本国内ではすでに、アメリカから輸入されたGM菜種が運送途中にこぼれ落ち、発芽して交配をしています。この菜種はもともと一年草ですが、多年草となり巨大化しているそうで、除草剤がまかれて他の草が全く生えない土地でも、大きくきれいな花を咲かせているといいます。また、因果関係はまだわかっていませんが、GM作物を口にするようになり、アメリカではガンの発症者数が急激に伸びているそうです。 現在、日本の国産大豆生産量は消費量の6%ぐらいと言われています。 日本ではGMの作物の栽培は禁止されていますが、日本人には欠かせない豆腐・納豆・味噌・醤油の原料の大豆のほとんどがアメリカからの輸入品です。出来上がった製品にはGM大豆を使用したという表示義務はありません。他にもGMで作られた大豆を飼料にして育った豚や牛が多く売られています。私たち日本人は想像以上に無意識のうちにGM食品を多く食べている可能性があります。

GM作物

GM作物の、突然変異によって生態系に及ぼす影響は未知数で、今では動物×植物、動物×動物などにも及んでおり、倫理的規制もこれからもっと必要となります。 また、GMの種子は実を結ぶのは一世代と改良してあるため、GM作物が広がればまた次の種子を求めてGMの種子開発会社に殺到します。私たちは食べるのも育てるのも自由にできなくなります。一社なり数社で世界の食料操作を行うことを可能にしてしまうGMはそういった意味でも恐ろしいものです。 自然の摂理に従って自然の物を食べる。 私たちは毎日口にするものにもっと興味をもって、敏感にならなければいけません。 人間の原点に立ち返って、私たちはまだGMに侵されていない日本の農業を今こそもっと大切に守っていく姿勢が必要なのではないかと思います。