半農半X
半分は「農」のある小さな暮らしを送りながら、半分は自分の道を追求し社会貢献をしていこうとする生き方、そんな「半農半X」を新しいライフスタイルとする人がいます。 半農といっても、半日を必ず農業にあてなくてはいけないというものでもなく、野菜を育てる場所は小さな庭であったりベランダのプランターでもいいのです。「半農半X」とは自分の出来る範囲で土との触れ合いをもち、他のいのちをも大切に考え実行し続けることです。 他にも、若者の間で静かに話題を呼んでいるものがあります。 それは、ホテルのようなサービス提供をするものではなく、 地域で暮らす人々との交流をはかることを目的としているものです。 それぞれの農家や古民家が体験できる内容を伝え、 私たちは自分の体験したい農家や古民家を選んで、 宿泊できるマッチングサイトです。 野菜や果物の収穫を体験するだけでなく、地元の飲み会に飛び入り参加した、 地元の人しか知らない絶景スポットに連れて行ってもらった、ホタルを見た、移住した人に会って話を聞けた、巻き割りをしたなどその時々でいろんな体験もしています。普段なかなか知り合わない年齢や職業の人たちが、あらゆる垣根を超えて交流出来るところが魅力になっています。 こうした民泊を修学旅行で取り入れている学校もあり、学生も農家の方々も思い出深い貴重な時間を過ごしています。
本当の豊かさを求めて
私たちは今、物の豊かさではない本当の豊かさを求めて「農」を求めています。 最近では芸能人を巻き込んだ農イベントを開催し、生産者と消費者を結び農を広める活動が行われています。こういった活動はどんどん行われてほしいと思う反面、同時に私たちは農を新しいスタイルのように捉えてはいけないと思います。農家の人もまた農についての厳しさと楽しさを伝える使命があると思います。私たちは「農」について正しく認識することが大切です。そして農を一過性のブームに終わらせることなく、農は暮らしのそばで「持続させていくもの」という考えに基づいて、広がっていくことが理想です。 土を触り野菜を育てる。 それだけのことで食に対する考えが変わり、農家の人や自然に感謝する心が生まれ、食を大切にします。大切に思う心は心を豊かにし、疲れた心も癒やしてくれます。 食を豊かにする農から人生を豊かにする農へと、「農」に対する思いは時代とともに変わっているのかもしれません。しかしどんな時代であっても人間にとって「農」は無くてはならない大切なものに変わりはありません。