農業を取り巻く環境
日本においては、元々の全国的な少子高齢化に加えて、世界的な流れとしてのTPPなど、農業を取り巻く環境が悪い方向に向かっていっています。 昔のように、周囲の人たちで持ちつ持たれつの助け合いを期待していたのでは、農業は成り立ちません。 なぜなら周囲の人々もまた、歳をとり体が動かなくなっているからです。 農業は丈夫な体が資本ですから、これでは地域全体が先細りしてしまいます。 いいものをただ作ればいいという時代はもう終わっているのです。 そんな中で、息子や孫が結婚を期に田舎へと戻ってくるケースが多々見受けられます。 彼らは高等教育や会社勤めで情報処理やマーケティングを学び、農業に新たな価値観を見出して明るい未来を見据えて戻ってきます。彼らは都会のスーパーマーケットで、高くても質のいい野菜が沢山売れるのを知っています。そして、インターネットで広く世界に情報発信をすることの大切さを肌で実感しています。「お金が儲かる農業」のノウハウを、農業以外から会得しているのです。 丁寧な農作業は、その過程を消費者に知ってもらってこそ生きるのです。 ホームページを作り、話題を提供してマスコミに取り上げてもらったり、都会で試食会を開催したり、大手の外食チェーンやスーパーマーケットと取引している農家も増えてきています。現実問題
ただし現実問題として、ずっと農業をしてきたわけではない若者は、壁にぶつかって、農業から手を引いてしまうケースも多く存在するといいます。 受け入れ側も、細やかな心配りをすることで、田舎にまた一人二人と若者が戻っていきます。都会で人間関係に心をすり減らし、食の安全や農業に目覚めた若者の心を確実につかんでいくことが、日本の農業を明るくする唯一の道になることでしょう。