違いはどこにあるのか?農業と林業の共通点と相違点
自然を職場とした仕事としては、農業や林業があります。これらの仕事は、それぞれに似ている部分や、あるいは大きく異なる部分を持ちます。農業と林業について、各共通点と相違点の具体的な内容に関して説明します。
農業と林業の共通点とは
日本では、豊かな自然を活かして農業や林業が行われてきました。これらの分野は、自然の中で行う仕事としての共通点を持ちます。そのため、季節や天候など、自然の移り変わりに大きく影響を受けます。自然から多くの恩恵を受けていると共に、一方で災害による被害を受けやすいのも、両者で共通する部分です。もし大きな災害が発生した場合、携わっている事業に損害が生じるケースも珍しくありません。自然の成り行きに大きく依存するのが、農業や林業の仕事です。また農業や林業は、後継者不足の悩みを抱えている点が、共通する部分です。これらの仕事は重労働が伴い、かならずしも楽な作業ではありません。そのため若い人たちは、都市部のオフィスなどでの仕事を求めがちです。現状として農業や林業の分野では、働く人たちの高齢化が進んでいます。これからこうした分野が存続するためには、若い人たちにいかに興味を持ってもらうかにつき、大きな課題を共に持ちます。
農業と林業の相違点とは
共通点を多く持つ農業と林業でありながらも、それぞれに相違点も存在します。仕事のスタイルの面で、これらの分野は違いがあります。農業は、農地を開拓して作物を育てるのが主な仕事の内容です。一方で林業は、山林で樹木の伐採などを主体とした仕事です。農業は食料などの作物生産が主であり、林業は木材など建築や家具製作に用いられる素材を生み出す役割という性質を持ちます。また農業と林業では、仕事に用いる機材に互いに大きな違いが存在します。農業であれば、トラクターや耕運機が仕事で用いることになる機材でしょう。一方で林業は、クレーン車やショベルカーなどが仕事で必要不可欠な機材です。そのため、農業や林業に携わる場合には、それぞれの業務で用いる機材の扱いにつき、免許やスキルが必要です。同じ自然を相手にした仕事であっても、互いに異なる部分も多いです。そのため、転職し農業や林業の仕事を新たに始めたとき、戸惑う場合が多いです。
林業と比較した上での農業のメリットとは
林業と農業を比較した場合、農業には利点となる部分があります。農業は、品種改良などにより大きなビジネスにつながる可能性を持つ点でメリットが大きいです。より良い製品作りに力を入れると、その分の成果が表れます。従来よりも美味しく収獲できる作物に人気が出ると、需要が高まります。研究機関などの協力も得て、品種改良に力が入れられています。その点林業は、品種改良などの余地が少ない分野です。また農業は、比較的都市部でも仕事ができるメリットがあります。作物を育てるのに適した土壌さえ確保できれば、都市近隣で農業ができます。しかし林業は山林が主体であり、都市部から遠く離れた地域が主要な仕事の現場です。さらに農業は、林業と比較して生産サイクルが短い傾向にあります。一年草などの作物は、毎年収獲して結果が出ます。しかし林業は長い年月を掛けて、ようやく結果が出る仕事です。年月のスケールが大きな分野であるだけに、すぐ結果が欲しい人には向いていません。