農業を取り巻く環境は、多くの課題を抱えています
しかし、農業には様々な多くの課題が存在するが故に、整理して論じられる事が少なく、すぐに議論が混乱する傾向があると思います。 農業と言っても、専業農家、兼業農家、過疎地で高齢者が細々と続ける農業など、様々な状況があり、それぞれ多くの課題を抱えています。 何らかの農業振興の施策を論じる時には、こうした階層毎に施策を考え、適用範囲を考える必要があります。 農業関係者は、こうした事は理解できているとしても、多くの国民がそれを理解し、税金の投入などに正しい理解ができるようにすべきでしょう。 付加価値の向上など農業経営に真剣に向き合う専業農家と、兼業農家に対して同じ施策で良いとは言えないでしょう。兼業農家が中心の地域に、大規模な農地整備事業などに大金を投入し、また減反政策も専業農家と同一と言うのは意味がない施策でしょう。 まず農業経営を真剣に考え、何とか専業を維持している農業を発展させる施策を重厚的に考えるべきです。農家に生まれ、農業一本でやって来た個人農業者で、農業経営などできる人は一握りです。 機能不全気味の農協に変わり、行政が農業の組織化を進めると共に、企業の農業への参入をもっと自由化する事が必要だと思います。
企業が農業に参入
企業の農業への参入障壁を低くすれば、やがて衰退の一途を辿り兼ねない兼業農家の農地を守り、日本の里山の風景や環境を守り続ける事が可能だと思います。 農業の6次産業化を言われますが、企業が農業に参入すれば、更にフレキシブルな発想で、農業の再生に活路を切り開くでしょう。 一方で、高齢化、過疎化が進む集落での細々とした農業は、農業と言う枠ではなく、過疎化対策と言う全く違った切り口で考える必要があると思います。 こうした地域には、まず都会の人を呼び込む工夫が必要です。呼び込む手段は農業に直接関係なくても良いでしょう。四国のある町で、ネット環境が充実している事でIT企業が拠点を持ち、若者が生活と仕事の拠点を移している事が話題になっていましたが、こうした方法で過疎化を少しでも防ぐ工夫が必要でしょう。 故郷を持たない都会の人は、土いじりに憧れを持っています。まだ60代で過疎地では若いといえる層を、農地を有効活用し、安価なクラインガルテンを設置して呼びこむなど、まだまだ工夫の方法はあるでしょう。 自治体は、もっと都会の人々と交流し、呼びこむアイディアを真剣に考える必要があるでしょう。