TPPから考える日本の農業の問題点②

a0002_002576TPPをチャンスに変えられるか

TPPをチャンスと見るか、ピンチと見るかは人それぞれの立場で異なりますが、競争力の弱い日本の農業は明らかにピンチになります。 なぜならば、どの様な産業においても、生命線となるのは技術力と資金力であります。 零細で技術力の低い日本の農業は、海外の高度な技術と資金力の前には無力に等しいのです。 しかし、昨今話題になっている農業の株式会社化や株式会社の参入など、様々な規制緩和を進める事で、より多くの人材とチャンスを農業の世界にもたらす可能性があります。 その為には、旧態依然とした農業から脱却し、近代的で魅力的な農業へと舵を切る力を持つ人材の確保をどの様に進めるかが大きな課題になってくるのです。

農業とは何の為にあるか

TPP交渉が加速する中で、日本は様々な課題に直面しています。 特に農村部では、人口減少が著しく毎年多くの集落が消えており、それと同時に就農者の減少が目立っています。 採算のなかなか取れない農業に魅力が無くなってしまったのは事実であり、これを克服するのは容易な事ではないのです。 しかし、普段は当たり前の様にスーパーで買う事の出来る米・野菜・果物なども、一たび不作になれば、たちまち店頭から消えてしまいます。 そうなれば生産者も消費者も無く、大きな自然の前には皆が無力になります。 大量の農産物を生産出来る海外の農場も例外ではなく、干ばつ等の異常気象に見舞われると、多くの農産物や家畜が犠牲になってしまいます。 そして、そのニュースが流れると、穀物価格は瞬く間に急騰し、国際相場を押し上げてしまいます。 日本も、海外から麦・大豆・トウモロコシなど多くの穀物を輸入し、それを食品や家畜の餌にしています。 穀物自給率の低さが災いし、この様な事態になった時、一体どの様にすれば良いのか、そして農業とは何の為にあるのかを、皆が真剣に考える事も大切なのです。