海外の農業資本との提携と技術導入
TPPの特徴は、関税の撤廃のみならず資本・サービスの自由化と言うのが挙げられ、その事が、農業の分野にどう言った影響が表れるかは議論の最中です。 しかし先日、政府は農業協同組合(以下JA)に対して、非常に大きな組織改革を迫ったのです。 これまで農業分野を事実上独占して来たJAに対して、この様な事を迫ると言う事は、ほぼ間違いなくTPPを睨んだ組織改革になります。 なぜならば、TPPの大きな目的である、資本・サービスの自由化の為には、ここでJAを大きく変えておく必要があるからなのです。 日本の農業には、これまで殆どと言ってよいくらいに海外からの資本や技術は入って来なかったのです。 この事は、よく言えば国家による農業の保護政策であり、悪く言えば鎖国政策であったのです。 しかし、これからはTPPと言う黒船が、非常に強い態度で日本の農業に開国を迫って来ます。 TPPがスタートすると、日本の農業にも海外からの資本と技術が入り、おそらく今までの農業とは異なる風景が広がる様になります。 例えば、海外の企業が直接的に、あるいは間接的に農地を集約し、ロボットや超大型機械を使用した、大規模で組織化された農業が行われる様になります。
これからの農業に求められる人材とは
これまでの農業は、零細農家が小規模に生産し、その流通範囲も、その地域、あるいは国内のみの場合が殆どだったのです。 しかし、これからはTPPが何らかのきっかけとなり、日本の農業の世界もグローバル化へと大きく動く事になります。 その時、世界の流れをしっかりと読み、大胆でより積極的な農業を推し進めていく事が出来る人材こそ、これからの農業に必要な人材であると言えます。 我が国の農業は、高齢化・後継者不足・環境問題・TPPなど課題が山積ですが、自分が毎日口にする大切な食料の事なので、決して他人事と思わず、食糧がある有り難さを十分に認識しながら、明日への農業をしっかりと考える事が大切なのです。