自分が将来どのような農業をやっていきたいのか始める際に具体的にイメージすることは大切です。例えば、有機農業に腰を据えて取り組みたいでも良いでしょう。それに必要な情報収集をして就農支援機関の窓口などに足を運び、どんどん具体化に近づけていきましょう。その際に何を作るのかということを具体的に考えることになります。作りたい作物しだいで栽培に適した地域や面積、必要になる設備が異なります。そうは言っても、初めからきっちりと栽培作物を決めてしまって良いものでしょうか。新規就農者が迷いがちな作物の種類の決め方についてお知らせします。
新規就農相談センターを利用しない手はない!
周りに相談できる農家がいなければ農業を始める前に迷わず新規就農相談センターに行きましょう。新規就農相談センターは農業を始めたいという人や農業法人に就職したいという人たちの相談に応じるための公的な窓口です。新規就農希望者を支援している市町村や都道府県の情報や農地の情報、農業研修受け入れ情報、農業法人の農業体験、求人情報が集まっています。定期的に就農イベントも開催しているなど、農業を志す人にとって頼れる存在です。イベントでは農業法人の会社説明会や就農者へのガイダンス、独立して農業を始めた先輩や農業法人で働いている人の声などを聴くことができる会なども行われています。参加することで将来の農業のイメージがより鮮明になるでしょう。就農について具体的なイメージが固まっていない場合や計画をどう立てたら良いのか迷っているときにも相談に応じてもらえます。地域によっては無料の職業紹介所もあるので農業法人への就職の相談にも乗ってもらうことができます。
「農業をやりたい!」その先は……?
農業で食べていこうと決意したのは立派です。ですがそれだけでは雲を掴むような話です。どのような農業をしたいのかという就農イメージの違いで、学ぶべきことやしなくてはならない準備も異なってきます。最初の入り口となる相談する窓口から違ってくることさえあります。農業をビジネスとしてとらえ経営者として多角的な経営を目指すのか、暮らしそのものをのんびりと楽しむ自給自足的な農業をしたいのか、はたまた本格的な有機農業にチャレンジしたいのかということだけでもずいぶんイメージは変わってきます。独立するのではなく農業法人に従業員として勤務するという働き方の選択肢もあります。農家になりたいという熱い思いは何よりも大事なことです。しかし、自分がどのような農業をやりたいのかイメージが固まっていない状態で農業委員会に熱意をぶつけたとしても担当者はまともに取り合ってくれないでしょう。農業と言っても人それぞれに動機や理想とするところは違っています。自分が目指すところをまず定めることが必要です。何がしたいのか決めたならば実際に就農するために何が必要なのかが見えてくるでしょう。農地や農機具もない新規就農者だからこそ、入念な情報収集と下準備が必要です。
何を作るかは最初に決めなくてもOK
何の農作物を作るのかということは最初からきっちり決めてしまわなくても構いません。まずは全体を大まかに考えることです。計画の最初の段階から栽培品種を決めてしまうと身動きが取れなくなってしまうことがあります。有機栽培をやりたいのならば、有機農業に必要な知識や技術を学ぶ必要があります。そのため有機農業について指導を行ってくれる人や機関を探します。知識や技術を身に付け、実際の土地で適している野菜は何かを探ります。その土地で流通しているものとの兼ね合いもあります。そう考えると、ただ自分が作りたい野菜だけを挙げていっても、実際にやっていけるかどうかは別だということがわかるでしょう。農業と言っても稲作、野菜、果樹、畜産、菌茸類までそのジャンルは幅広いものです。野菜などは畑で露地栽培をするのかハウスなどの施設を使うかで、開業資金も大きく変わってきます。通常の栽培と有機農業では栽培法も大きく異なります。経営のスタイルでも米だけに絞った単一経営か米と野菜などを合わせて複合経営にするのかという選択肢もあります。まず細かな品目を決めるよりも大まかな経営のイメージを描くことが先決です。