日本では現在少子高齢化が進み、そのため地方の農村部では過疎化や農地を放棄することが問題になっています。都市への人口集中が起こっている現状では、地方自治体そのものの存続ができなくなる可能性もあります。団塊世代の退職などによる人材不足の問題もあり、何も対策を施さなければ地方は衰退する一方になってしまいます。地方を活性化させる方法にはどのようなものがあるのでしょうか?導入するべき方法について探っていきましょう。
地方活性化はどうして求められているの?その背景にあるものとは
今の日本では、少子高齢化が急速に進み生産人口が大きく減っています。これは働く世代が受給層を支える仕組みの、年金や国民健康保険などの社会保険にも影響するものです。年金の支給額は年々減っていき、さらに支給年齢は上がっていく見込みです。今まで具体的な方策を取らなかったため、政府は人口維持の議論や改善のための政策を迫られています。これからの日本は、団塊世代の大量退職や年金の原資の枯渇など多くの問題と向き合っていかなければなりません。少子高齢化が進む現状では地方自治体そのものがなくなるのではないか、という危機感も出てきました。地方の大きな産業である農業の衰退を食い止めるための、国による就労支援や補助の必要性が叫ばれています。また将来は確実に人口が減っていく見通しですから、地方のニーズに合った施策を行うことも大切です。地方自治体の存続のために、また農業の衰退を避ける意味でも地方を活性化することは強く求められていると言えるでしょう。
地方活性化にはどんな対策が有効?
地方を活性化させる方向性としては、海外に移した工場を国内に戻す、地方企業のグローバル化、本社機能の地方分散化、地域資源を活性化させるなどの考え方があります。また日本の土地の特性を生かした農業という提案もあります。地方の大きな産業の一つには農業がありますが、長く続いたデフレ経済のため、消費者は安い外国産などの農作物を求める傾向にあります。そのために、売り手としての国内産業は大変厳しい状況になっています。ほかにも、都市への人口集中により地方の農村では過疎化や農耕放棄地が問題になっています。最近では、この放棄された農地を活用することで人材不足を解決できるのではないかという動きが出てきました。例えば、定年退職者で再就職が困難な状況にある方に農業に参入してもらい、これらの土地を利用してもらうといったものです。また地方の農業を合理的で大規模な農場にして法人化することも検討すべき対策です。多くの人が都会から地方へ来て農業をすることにより、地方の活性化につながることが期待できます。
地方活性化のためには何をすればいいの?
では具体的に地方活性化を促すためには何をすればいいのでしょうか?地方活性化に大きな可能性をもつ、農業の視点から探ってみましょう。日本の農業には安全で種類が豊富、味が良い、オリジナルなものが多いなどの特徴があります。このような日本にしかない技術を使って、より安全で安心なブランド作りを大規模農業の中で行い、農作物を国内外へ売り出せば収益が出ることでしょう。以前から好まれていましたが、日本食は世界遺産に登録され今や世界中で人気があります。地方の耕作放棄地でグローバル戦略を取り入れた農業を行うことは、地方の活性化につながります。また、大規模な農業を展開できる企業を地方に誘致し、戦略的な農業を行うことで雇用が増えます。地方のインフラ整備には多くの費用が使われてきましたが、大規模農業により自治体が存続することになれば無駄にはなりません。自治体を再編することなども視野に入れながら、農業県を作っていくなどの構想もあります。大規模農場を作ることで多くの雇用や税収が見込めるため、地域の活性化につながり地方の衰退を食い止めることが期待できます。地方を活性化することは、ひいては日本の将来に活気をもたらすことになるでしょう。