現代では農業が大きな注目を集めています。後継者がいない、仕事がハードなど、多くの課題を抱えている農業ですが、その一方で日本の食料自給率を支え続けている農業には大きなリスペクトが寄せられています。これから農業に取り組もうとする人たちはどのようなことを心がけるべきなのでしょうか。そして農業ではどれくらい稼げるのでしょうか。ここでは農業の詳細や、将来性、農業に向いている人間像について詳しくまとめてみました。
農業ではどれくらい稼げるのか
平均年収.JPによると、平成26年度の時点で全国の農家の平均年収は456万円でした(http://heikinnenshu.jp/other/nouka.html)。また、地域別の年収では北海道が一番高く、平均787万円を稼いでいることが分かりました。それだけを聞くと、農業は儲かる仕事だと言えるかもしれません。しかし、北海道の平均年収の高さは、企業化したうえで大規模の経営を続けている一部の農家が平均を吊り上げていることが考えられます。また、農業は支出も多い仕事です。そもそも土地やビニールハウス、トラクターやコンバインといった設備投資が大きく、ローンを抱えている農家は少なくありません。種や肥料などの原材料もかなりの頻度で購入しなければならず、大きな利益を上げているとは言いにくい仕事です。しかし、兼業農家として働いている農家は安定した生活を営むことも可能です。農業以外にも年収を確保することで、天候などで年収が左右される事態を避けることができます。これから農業への転向を考えている人は、兼業農家として生きていくのも一つの方法です。
農業には将来性があるか
農業が後継者問題を常に抱え、年々業界人口を減らしている原因の一つが仕事のハードさです。毎日朝早く起きて畑や田んぼの世話をし、肉体労働に明け暮れる生活は若者からすると避けたくなるような内容かもしれません。また、どんなに頑張っても台風や大雪によって作物が駄目になってしまう可能性もあります。非効率的で将来性のない仕事だと思っている人も多くいるでしょう。しかし近年、農業の重要性がさまざまなところで見直されるようになってきました。産地偽装や輸入食品の質などが問題になる中で、真面目に良質な農作物を提供し続けている農家の価値が上昇しつつあるのです。インターネットの時代で、農家が宣伝方法を広げたのも大きかったでしょう。作り手の顔が見える直売システムは、食の安全に対し意識的になった消費者を中心に愛されています。農林水産省も45歳未満の農業への新規参入者をサポートする制度を作るなど、現在では国や社会をあげて、農業を支えようとするムードが高まってきているのです。農業の未来は決して暗くないといえるでしょう。
どんな人が農業に向いているか
農業に向いている人の特長はとにかく健康な人です。体力的にも精神的にも大きく崩れることがない人が農業の仕事に就いても成功できるでしょう。農業は体力勝負です。冬の寒い日も夏の暑い日も、勝手な都合で休むことはできません。毎日、ハードな仕事をこなしても元気でいられる人が農業には適しています。次に、人見知りをしないことです。農業は一人で黙々と行う仕事というイメージがありますが、実は他人の協力なしには成し遂げられない仕事です。道具の貸し借り、お互いの作業の助け合いは頻繁にありますし、新規参入者であれば経験者に話を聞きにいく姿勢も求められます。近所の人たちとすぐに打ち解けられるような人なら、楽しんで仕事を続けることができるでしょう。性格的には根気強い人が理想です。農業はすぐに結果が出る仕事ではなく、毎日地道な作業を重ねてやっと収穫の時期を迎えます。それでも、天災や作物の病気で収穫が叶わないこともあります。そのようなときにもめげることなく、また新たに努力を始められる人こそ、農業の申し子だといえるでしょう。