国から給付金を得て新規就農者になれる制度とは
新規就農者確保事業として、平成24年度から青年の就農への意欲や就農してからの定着率を安定させるために、所得確保を目的として就農前後の人へ向けて国が給付金を給付する制度が開始されています。支援は二通りあり、準備型では就農前の研修期間の該当者、経営開始型では就農直後の経営が不安定な期間に該当します。
給付金の対象となる人の条件とは?
"準備型は、就農を目的として農業経営者育成機関や先進農家及び農業法人などで研修を受ける人で、就農前の研修期間の2年以内が対象となります。就農予定の年齢が45歳未満で独立または自営就農、雇用就農を目的に研修を受けていることが原則です。また、親元就農に該当する場合は就農5年以内に経営を自分自身で行う(継承する)か、農業法人として共同経営者になることが定められています。常勤雇用契約のある人、生活保護受給者は該当しません。経営開始型は、就農時の年齢が45歳未満であり、独立、自営就農(親元就農は5年以内に経営を継承する人)が前提で、青年就農計画が農業での5年後の生計が成り立つ計画である人が該当者です。また、就農の要件では、農地の所有権、使用権があり(親元就農は給付期間中の所有権移転が必要)主要機械の所有(借りている場合も含まれる)、出荷や取引が自分名義であること、経営収支の管理を自分名義の通帳、帳簿で行うことと定められています。また平成21年4月以降に農業を開始した人も含まれます。両給付対象に含まれる条件として、青年新規就農者ネットワークへの加入と農業経営者に就くことに意欲のある人とされています。"
年間どのくらいの給付金が下りるのか?
新規就農者確保事業において準備型の年間給付額は150万円と定められています。半年分に換算して75万円単位での支給がされます。経営開始型の場合では、経営主への給付金として年間150万円が支給されます。これも準備型と同様に、半年分を換算して75万円単位での支給がされます。夫婦の場合では、年間の支給額は225万円で、夫婦での支給に該当する人の条件として、家族経営協定の締結があり、夫婦2人が共同経営者であること、夫婦で主要な経営資産を共有していることが定められています。また夫婦2人が、国が促す人・農地プランでの中心的な経営体であることが必要であると定められています。また、法人設立によって複数の新規就農者が共同経営する場合には、それぞれが年間150万円の給付の該当者として給付金が受けられますが、全ての該当者が人・農地プランに位置づけがあり、経営開始から5年以上の農業者と法人経営する場合は対象外になります。
研修前と就農後の給付金について
研修前に受給できる準備型では、所得制限が無く年間150万円の給付が最大2年間受けられると定められています。就農後に受けられる経営開始型では受給する場合に、所得制限を課せられることが定められています。給付金を除く前年の総所得額が350万円以上の場合は対象から外れます。また、就農後の所得額が給付金を除いて250万円の人が該当者とされています。就農してから経営が安定するまでの期間として最長5年の期間で給付が受けられます。また、昨今の農業が様々な問題に直面している現状を打開するために、農業の持続や力強さを実現することが必要とされており、国が人・農地プラン(集落や地域住民と農地の問題解決)の作成を促しています。人・農地プランは、農業に置ける未来の設計図としての位置づけがされています。就農後に経営型給付金を受ける人は、当該する市町村のプランにて地域の中心人物(農業経営者として)となることが必要になります。