農業を始めるための基本は農地!どうやって手に入れる?

 

農業を始めるにあたって必要になるのが農地です。新規就農者にまず立ちふさがる壁になるのが農地の取得でしょう。農地を手に入れるのが難しい理由として、先の大戦後で地主の土地が小作人に分配された、農地解放にさかのぼるさまざまな法規制があげられます。さらに農地の取得についてはいくつかの条件も存在します。購入するにしても借りるにしても農地法についての正しい知識を持ち、正規の手続きを踏んで農地を手に入れましょう。

農業を始めるにあたって農地取得には乗り越えなければならないハードルがある

農地は他の土地とは異なり、勝手に売買することができません。農地の法律的な定義は「耕作の目的に供されている土地」です。つまり作物の栽培のために土地を整え耕作し肥料を与えたり灌漑や除草の手をかけたりして管理している土地のことを言います。農地はさらに田、畑、草地に分類されます。こうした農地の取り扱いは農地法によって決められています。この法律は耕作者本人が農地を所有することが適当であるという考え方にのっとって、耕作者の農地取得の促進や権利の保護、農地利用の促進を図ることを目指して施行されました。農地の売買だけでなく、譲渡や転用についてもこの法律が絡んできます。農地法は規制緩和を受けて個人でも農地を借りやすくなりました。新規就農者にとっては昔よりも農業を始めるハードルは下がっています。しかし、農地の取得には最終的に地域の農業委員会の許可を得なくてはなりません。農地独特の規制やルールを踏まえて、農地取得に必要な条件をクリアしていきましょう。

農業を始めるにあたって農地取得のためにクリアすべき条件

農地の取得にはさまざまな公的な許可が必要です。どれか一つでも欠けてしまうと取得許可がおりません。農地の取得にまつわる雑多な手続きと合わせて、就農前に確認しておきましょう。以下に農地取得ができない事案をまとめます。

  1. 小作地の所有権を小作農およびその世帯員以外のものが取得しようとする場合
    これは取得者以外の人間が農地を取得しようとすることを言っています。取得者本人かその家族が農地全てを耕作すると認められる必要があります
  2. 権利を取得しようとするものが農業経営に供すべき農地の全てを耕作すると認められない場合
    これについては他人への転売や貸し付けを防止するためのものです。
  3. 農地を取得しようとするものが、農業経営に必要な農作業に常時従事すると認められない場合
    ここで言う常時従事とは年間150日以上です。
  4. 取得する農地の経営面積が北海道では2ヘクタール以上、都府県では50アールに満たない場合
  5. 農地を取得しようとする者の農業経営の状況、住所地と取得しようとする農地の距離からみて、当該農地を効率的に利用すると認められない場合
    住まいから農地が遠すぎないかを問われます。

農地は購入する?借りる?

農地を購入するとなると、用意しなくてはならない自己資金も高額になります。また、必要になるのは土地代だけではありません。同時に不動産取得税や固定資産税も考えなくてはなりません。新規就農者はまず農地を借りて、ある程度軌道に乗ってから購入するというパターンが多くなっています。若者ほど自己資金の問題から賃借で始める人が多いのが傾向です。制度として農地を5年ないし10年貸し付けたあとに売り渡す「農地保有合理化事業」というものもあります。これは農業公社の補助制度で、担い手育成タイプや長期育成タイプなどのいくつかプランが用意されています。気になる場合は、市町村農業委員会か農地保有化合理化法人へ相談してみましょう。また、農地取得の条件にもかかわってくる住宅の確保も忘れてはいけません。田舎で土地を手に入れることは農地と同様に困難です。農地法では、農地を転用する場合には都道府県知事の許可が必要になります。つまり自分の農地に勝手に住宅を建てることはできないのです。農地と同時に住まいも探していきましょう。

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