近年、サラリーマンを辞めて農業を始める若者が増加しています。これは脱サラ農業ともいわれますが、農業人口が年々減少するなかで、こうした若者の存在はとても大きな意味を持つといえるでしょう。ただ、農業は決して甘い世界ではありません。特にそれまでサラリーマンとしての生活を送っていた若者にとって、農業はまさに畑違いの世界です。もし脱サラをして農業を始めたいなら、決して安易に物事を考えず、じっくりと計画を練ったうえで始めるようにしましょう。
農業は楽ではない!脱サラ農業で後悔しないために
サラリーマンという生活は、確かに気苦労の多いものです。いつも満員電車に揺られ、会社に行けば人間関係に悩み、ノルマを達成しなければというプレッシャーもあるかもしれません。そうした生活に嫌気がさし、田舎の穏やかな農業生活に憧れを抱く若者がいることも確かでしょう。ただ、農業の世界も決して甘くはありません。実際、脱サラして農業を始めたことを後悔する人も珍しくないのです。農業というのは経営の一種です。農地確保も農具の用意も、また作物を育てるのも、すべて自らが主体となって進めていかなければなりません。また、農業を始めることには莫大な資金も必要になります。天候に左右される農業は、決して安定した世界というわけでもありません。このように、農業を始めるのは決して楽なものではないのです。脱サラ農業をして後悔しないためにも、まずは自分が農業を始めたいという動機や、農業を始めてからの資金計画などをしっかりと立てておくことが大切です。
農業は朝型中心!農業の生活体系とは
サラリーマンと農業とで特に大きく異なるのは、やはり生活の質や体系です。サラリーマンの場合、どちらかというと夜型の生活が中心となる人が多いでしょう。朝が早い人もいるでしょうが、就業時間はどちらかといえば昼から夜が中心です。一方、農業は圧倒的に朝方の仕事です。たとえば、夏場などは朝4時に起きて畑をいじることも珍しくありません。夏の日中は日射しが強く仕事にならないので、昼前に長めの休憩を取り日が落ちかけたころから夜にかけて仕事をするということもあります。こうした生活リズムは、サラリーマン生活の長い人には少し難しいといえるのではないでしょうか。脱サラ農業を始める際は、このように生活の質の違いにも気をつけなければなりません。もちろん、農業を長く続けていけば、いつかは朝方の生活にも慣れてくるでしょうが、脱サラして農業に足を踏み入れる人の多くは、最初のうちはこうした違いに戸惑うものです。自分は朝型か夜型か、こうした違いもしっかりと認識しておくようにしましょう。
脱サラ農業は生半可じゃない!しっかりとした準備と工夫を
脱サラして農業の世界に足を踏み入れるなら、まずは農業を始める動機をきちんと自分のなかで確立しておきたいところです。これまで述べてきたとおり、サラリーマンと農家の生活は大きく異なります。このとき、動機が不十分であるとその生活の違いに戸惑い、脱サラ農業をしたことを後悔することにもなりかねません。どうして農業をしたいのか、その動機がしっかりしていれば少々の違いにも動じなくなるはずです。また、しっかりとした事業計画を立てることも大切です。農業で生計を立てることは簡単なことではありません。それだけに、利用できる補助金はないのか、どの程度まで借金が可能なのかなど、きちんとした事業計画を立てておく必要があります。農地を確保し、種や肥料を用意して、いざ農業をスタートさせても、実際に収穫できるのは半年後や一年後ということもあります。その間の資金はどこから捻出するのかなど、きちんと考えておかなければなりません。サラリーマンから農業を始めるのは、やはり簡単にはいかないでしょう。それだけに、しっかりとした準備や工夫をしてから、事に当たるということが大切なのです。