脱サラして農業に取り組みながら、ゆっくり田舎暮らしをしてみたいと憧れる人もいるでしょう。大自然に囲まれ、自分の育てた作物で収入が得られたら喜びも大きいですよね。しかし、実際に農業をして生計を立てるとなると大変なこともが出てきます。土地の取得や農業技術の習得など、あいまいな知識のまま脱サラしてしまっては後悔しかねません。ここでは、農業で生計を立てることの現状や脱サラ農業を成功させるためのポイントをまとめています。
農家になる覚悟が必要!脱サラ農業でなかなか生計が立てられない現状
脱サラして農業をする際、なかなか生計を立てられないという現状があります。その理由として、農地取得のハードルの高さなどが挙げられます。農地を購入する場合は、農地法に基づき一定面積以上で耕作をする必要があり、農地を管理できる距離内に移住しなければなりません。また、世帯員が常時農業に従事するなどの条件があります。そのため、今後農家専業として認められる必要があるといえるのです。農業のみで生計を立てられるほど広い農地を購入するとなれば、金銭的な負担は大きくなります。すでに農地がある場合や農地取得のための費用がある場合は別ですが、農地取得に要した費用の返済と同時に生計を立てることは難しい面があるといえます。実際、ふるさと情報サイトが実施したアンケートでは、新規就農者で生計が成り立っているのは4割程度。その4割も、就農後生計が成り立つまでに2年半以上の時間を要しています。また、「改正農地法」によって一般企業が農業参入しやすくなり、生産のみに専念できる農家は限られてくるといえるでしょう。
引用元 iju info:http://web-iju.info/data/data_13.htm
人脈と柔軟な発想!脱サラ農業で一から始める際に大事なこと
脱サラして農業を成功させ、生計を立てている農家も実際にあります。両親が農家で農地、販路、機械、施設などをそのまま継承しているケースです。なかでも、農作物を作る際のノウハウを無条件で教えてもらえるという点は、生計を立てるうえでの大きな強みになるでしょう。もちろん、農家出身者でなくても時間をかけてそのようなノウハウを蓄積していくことは可能です。同じように農業を行う先輩や仲間と人間関係を築き、細かい情報交換によって農作物を育てる「勘」のようなものが育っていくのです。脱サラして、一から農業を始めるなら農地を得ることはもちろんのこと、この人間関係が非常に重要といえます。天候ごとの手入れの仕方や苗の選び方、肥料に関することなど、作物を作りながら周囲の農家に学ぶことができるからです。また、消費者のニーズに合う作物を作るなど、柔軟な発想をもつ意識も必要でしょう。希少性のある作物を育て、販売、流通まで手掛けることで、大きく売り上げを伸ばしたケースなどがあります。良好な人間関係を通しての情報収集はもちろんのこと、新規参入者だからこそできる柔軟な発想で農業に取り組む姿勢が必要といえます。
十分な資金は必要!脱サラ農業で失敗しないために
脱サラ農業で失敗しないために、細かい営農計画や高い農業技術の習得、柔軟な発想や工夫は必須のものといえます。それに加え、ITやICTなどを使った先進的な農業が求められることもあるかもしれません。農業をひとつの事業と置き換え、人脈づくりや経営能力を養うことも必要になるでしょう。このようなことを実践するためには、やはり時間とお金が必要になります。農地取得や機械購入に必要な費用はもちろんのこと、収益が見込めない間の生活費など、余裕をもって準備しておきましょう。たとえ何年か失敗が続いても金銭面で余裕があれば、次のチャレンジが可能になります。その繰り返しのなかで大きな成功や売り上げが得られる可能性があるのです。ITやICT技術を導入したり、新しい販路の開拓をしたりするためには、やはりある程度のお金が必要になります。自分自身が納得のいく農業をするために、一定期間やりくりするためのお金の準備は欠かせないといえます。