落ち着いた雰囲気で暮らしたい。そのような思いから田舎で生活しようと考えている人もいるでしょう。田舎での仕事と言えば、農業です。自然と対面しながら、時間をかけ、いろいろな生産物を作ることができるのが、この仕事の魅力だと言えます。田舎で生活しようとしている人の中には、農業に興味を持っている人もいるのではないでしょうか。農業の中には、花の栽培をする花卉農家があります。そこで花卉農家のなり方と仕事内容について説明していきます。
若き転身者もいる花卉栽培農家
春にはサクラやカーネーション、秋にはコスモスやハギなど、人が見たいと思う花は季節によって違います。季節ごとに、人がみたいと思うような花を栽培し、それを農場に直接販売したり、生花店などに卸したりするのが、花卉農家の仕事です。花を栽培する所があればよいので、比較的狭い場所で仕事ができるという特徴があります。花卉農家の仕事をしている人の中には、未経験から始めた人も少なくありません。30代の若さで建築、製造、接客などの業種から転身している人もいるのです。花卉農家は、農業に興味を抱いている人やこれから始めてみようと考えている人にとって、適した職業だと言えるでしょう。花卉農家の仕事は、花好きで根気のある人が向いています。花は嗜好品なので、人はすぐに新しいものを求めます。それに対応するため、花卉農家は、常に新しい花を栽培していく必要があるからです。人から求められる花の育成をするためには、花好きでなければなかなか務まるものでありません。また、花の栽培は数ヶ月から数年単位の長期間にわたります。栽培を始めてからすぐに結果が出るものではないのです。そのためこの仕事をしていくには、根気が必要になると言えるでしょう。
複数の栽培技術と細かい管理が求められる
花卉農家の仕事をする場合、複数の栽培技術に関する知識を求められます。シクラメンのような鉢植えをする花、チューリップにように球根として出荷する花、バラやキクなどの切り花など花にもいろいろな種類があり、栽培方法もそれぞれで違います。そのため、これらの花を栽培していくには、複数の栽培技術を使い分けていかなければなりません。また、この仕事では細かい管理が要求されてくるのです。花の栽培は、土作りから始まり、種まきや苗植えをして肥料や水をやります。それと同時に虫を駆除するため、適所で薬剤を散布して対応しなければなりません。また露地なのか、ガラス温室やビニールハウスのどちらで栽培したほうが適しているのか見分ける知識も必要になります。このような花の栽培に関する管理が正確に行われていないと、生育に異常が出てしまったり、花の色合いが悪くなったりしてしまうのです。場合によっては、栽培した花が枯死してしまうこともあります。そのため花の栽培をするには、細かい管理が必要になってくるのです。
就職したり農業系学校で勉強したりする以外に相談センターの利用も可能
花卉農家になるには、花の栽培技術を身につけなければなりません。そのため、園芸科のある農業系の高校や大学の農学部、園芸学部で勉強して、この仕事に就く方法があります。花卉栽培の業務を行っている、農業法人へ就職することで、この仕事に就くことも可能です。給料をもらいながら、花の栽培技術を身につけられます。経験を積み、資金がある程度貯まった後、独立する人も少なくありません。他の業種から転身して、花卉農家を目指す場合、全国新規就農相談センターを利用する方法があります。この機関では、花卉農家になるための援助を行っているので、これから転身しようとしている人にとっては、心強い存在です。全国新規就農相談センターを利用して、花卉農家になるには、相談後に酪農条件に適した土地を紹介してもらいます。それと同時に経営企画を作成し、知事の認定を受けなければなりません。その後、農業大学や農家などで、花の栽培技術の研修を受け、就農を申請するという流れになります。