生活のさまざまな場面に彩を持たせてくれる観賞用の植物。そのような植物を育てる仕事を花卉栽培といいます。種や苗の時期から出荷までの間、植物の成長をすべて知ることができるため、花や盆栽など植物が好きな人には魅力的な仕事といえるでしょう。では具体的に、花卉栽培の仕事はどのようなものなのでしょうか。年収やキャリアアップの方法なども踏まえて紹介します。
植物好きなら魅力的!花卉栽培者の仕事
家庭や職場において、場に潤いと豊さを感じさせてくれる観葉植物や生け花、盆栽などの観賞用植物を花卉といいます。このような植物を育て、商品として出荷するのが花卉栽培の仕事です。大きく分けると、鉢物、バラや菊などの切り花、球根、花壇用苗ものの4つに分けることができます。耕耘機で土作り、種撒き作業、苗を植え付け肥料や水、防虫剤を撒く作業、温室の温度管理などの仕事がメインです。それぞれ花卉の種類によって収穫や出荷の時期は違い、育てるものに合わせ的確な手入れを行っていきます。また、花全体の売り上げが低迷状況にあるなか、少しでも多く消費者に買ってもらえるように品種改良に力を入れる花卉栽培者もいます。花卉栽培従事者の多くが、自営の後継ぎとして花卉栽培を始めたというケースですが、なかには農業法人など販売会社で働いたのち栽培者として独立したというケースもあります。技術や知識を身につける方法として、農業高校や農業大学などで学んだり、研修生受け入れを行っている花卉栽培者のもとで、働きながら学んだりとういことが可能です。
努力や工夫で収入アップ!花卉栽培者の平均年収
花卉栽培者の年収は農家によって大きな差があります。年収1,000万円を超える大規模な農家から、年収100万円前後という農家までさまざまです。もし、新たに花卉栽培の仕事を始めるなら、最初のうちは前職より収入が減ると考えておいたほうが無難です。就業して数年は生活が成り立つか不安定でもあるので、その計画も立てておいたほうが良いでしょう。軌道に乗れば、400万円前後の収入を得ることは可能といわれており、努力や工夫を重ねながら高収入を目指してください。もし、出荷時期が年2回の花卉栽培であれば、その2回の収入で一年の生活や経費を賄う形になります。年度によっては、病害や天災などで出荷できる量が減ることもあり、それに応じて年収も減ることが予想されます。そのため、平均年収は安定したものではないこと、月収ではないため計画的な生活が必要なことを理解しておきましょう。もちろん、父親の農園などで、従業員として花卉栽培の仕事をするケースには、月収という形で給料をいただいている人もいます。その場合、はじめのうちは20万円前後という月収が多いようです。
未経験でもチャレンジできる!花卉栽培者のキャリアップ
新たにゼロから花卉栽培を始めるなら、新規就農の相談センターなどで情報収集が必要になります。専門的な知識や技術がなくても、研修先などを紹介してもらえるので、技術や知識を身につけましょう。土地や機材などを購入する準備金も必要で、どの程度の初期費用がかかるか事前に確認しておきます。仕事がスタートしたら、種まきの時期や手入れのタイミングなど日々の業務で必要なことを身につけていきます。また、生産数や種類、出荷時期なども理解を深めより収入につながる生産方法を確立します。その後は、1年1年経験を積み、天候に応じて変化する栽培方法をその都度身につけていきましょう。対応次第で、栽培量に大きな差が生まれ、収入の差へとつながっていきます。そのため、経験を積んで季節や天候に応じて的確な対応ができるようになることで、さらなるキャリアアップも可能になるでしょう。品種改良などで、出荷価格を上げることや農園を広げ出荷量を増やすことで、収入が増えることも考えられます。