農家の高齢化が問題になる中、農業の道へと進む若者も少なくありません。農業にもいろいろありますが、その中に花農家があります。毎日花に囲まれながら農家として働けるこの仕事に、興味を持つ人もいるのではないでしょうか。そこで花農家は、どのようにして働いているのか説明していきましょう。
花の栽培だけが花農家の仕事ではない
花農家とは、畑やビニールハウス内などで花を栽培し、それを出荷する農家のことを言います。花の栽培と出荷に関する業務が、花農家の仕事です。花の栽培は、畑の土作りから始まります。苗を植え付ける2週間前から土を何度も耕しながら行うのがポイントです。耕し終わったら、石灰や腐葉土を混ぜてしっかり土を寝かせます。そして肥料を混ぜた後、苗を植え付けるのです。苗の植え付け後、花が咲くまで、しっかり管理しなければなりません。花に栄養分を与えるため、適度に肥料や水を与えます。また花が虫に食われてしまう場合も多いので、防虫剤を使用して対応する必要があるでしょう。その他、花を栽培する畑やビニールハウス内の温度管理も重要です。それから咲いた花を花市場に出荷するのも、花農家の仕事になります。この業務によって、花農家は収入を得ることになるのです。人々から需要のある花は、それだけ市場からも求められます。季節によって花の需要が違うので、その点を考えて栽培することが重要です。また人は常に新しいタイプの花を欲するので、それに対応した花の栽培を実現する必要があります。
勤務者と経営者で労働環境が違う
花農家の労働時間は、勤務形態によって変わってきます。農業法人に就職して花農家の仕事をしている人は、一般企業の会社員とあまり立場が変わりません。そのため8~10時間程度が平均的な労働時間になります。これに対し、経営して花農家の仕事をしている人は、基本的に何から何まで自分で業務を行わなければなりません。そのため、朝早くに仕事を始め、夜遅くまで働くことも多いです。花農家の休日も勤務者と経営者で違いがあります。前者の場合、繁忙期こそ、忙しい時期が続くこともありますが、基本的には週1~2日の割合で休日があります。後者の場合、経営者ということもあり比較的休日などは不定期となる場合が多いようです。また出荷時期も育てる花次第では不定期となってしまうため、休日などが気になる場合は、計画的に栽培を行っていく必要があるでしょう。また、花農家の収入はどのくらいなのか気になる人も多いと思います。勤務者であれば、毎月一定額の給料をもらえるので、一般企業の会社員並みです。経営者の場合、顧客の量で収入が決まります。経営初年度の花農家であれば、年収100万円未満の場合も少なくないようです。ですが顧客がつき、事業がある程度軌道に乗れば、年収500万円以上得ることが可能です。
丁寧に扱う心を持って体調管理に気をつける
花農家の仕事をする場合、花の扱い方に注意する必要があります。栽培した花は、市場へ出荷し、商品になるものです。花はデリケートなものなので、雑に扱うとすぐ傷ついてしまいます。それによって出荷することができなくなり、今までの作業が無駄になってしまうこともありえる話です。栽培した花を無駄にしないように、丁寧に扱う心を持って仕事をしましょう。また、体調管理に気をつけることも花農家では大切なだと言えるでしょう。花農家の仕事は体力と忍耐力が要求されるので、体調を崩してしまうことも少なくありません。常日頃から、体調に気を配りながら仕事へ取り組むことが重要です。それから自然災害リスクも気にしなければなりません。台風や地震によって、栽培した花がダメージを受けるだけで、商品にならなくなってしまいます。それによって、売上が大幅に少なくなってしまう場合も出てくるでしょう。自然災害は人がコントロールできるものではないので、起きたときのリスクを受け入れるのは大切なことです。