農(ファーム)から食(テーブル)まで

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農産物が生産された農(ファーム)地点、農産物が消費された食(テーブル)地点、 今日食べた農食2点間の距離は近いでしょうか?遠いでしょうか? 直線でしょうか?どこかを経由しているでしょうか? そしてその線ははっきり見えていますか? 農(ファーム)から食(テーブル)までの道のりは食材によっても様々で、 もちろん自然環境によっても変わってきます。 流通経路の長短の違いで消費者が購入する農産物の鮮度は変わってきますし、 経由地が多くなり加工されてしまえば、消費者は農産物の産地を知ることが出来ません。 また経由する地点数の違いが農家の利益に大きな影響を与えます。 利益を左右する流通経路は工業の世界では非常に重要視されますが、 農業の世界では流通経路に関心は持ちつつも、従来通りに行い見直す農家の数はそれほどまだ多くないのが現状です。

流通経路

多くの農家は、収穫した農産物を農協に託します。そこから卸売市場に運び出され、卸売市場でセリにかけられ値段が決まります。そして仲卸や八百屋、スーパーに並び、レストランや食堂に運ばれ消費者が購入してはじめて食卓にのぼります。この流れが一般的です。 なお、2010年食品消費総額に占める農産物の割合は15%にとどまり、流通加工業者が60%占めています。残り外食産業が18%、輸入加工が7%の内訳となっています。流通に多額のコストがかかっているのが歴然です。 生産者・消費者ともに喜べる農(ファーム)から食(テーブル)まで流れを作る為に、 私たちは流通を今一度見直す必要があると思います。 ある農業生産法人は、基本的に卸売市場を通さず、野菜加工業者やスーパー、レストランなどに直接卸す契約栽培を行っています。 取引企業と生産量を決め、決まった生産量を出荷するシステムです。一定の生産量をあげるには様々な努力がもちろん必要ですが、価格は事前に決めておくので周りの価格と関係なく、決まった収益をあげられます。と同時に消費者もより新鮮な農産物を安く買うことができます。どういった生産者がどういったものを作ったかを知ることができ、安心して食べることが出来ます。 個々の農家もこうした流れを簡単に利用できる仕組みがもっと出来て広がれば、農(ファーム)と食(テーブル)の距離は確実に縮まります。 また、「食」を売りにする飲食店は利益追求も大切ですが、もっと健康に目を向け地元の野菜にも注目してもらいたいと思います。カロリーベースで日本食材50%を超えている証しの緑提灯を掲げるお店が増え、日本の農(ファーム)と食(テーブル)を安全に結びつける「仲人」がいっぱいできればいいなと思います。