農業と医療

a0001_009237「医」と「農」をつなぐプロジェクト

農林水産省では「医」と「農」をつなぐプロジェクトがありました。 自分たちで作った農産物を医療現場や福祉施設で食べてもらいたい。 自分の農地を、治療やリハビリのために患者さんや障害者の方たちに 使ってもらい、農業も教えていきたい。 そういった「医」と「農」をつなぐモデル事業を始める方々に 500万円を助成するというものです。 今こうした「医療・福祉と食料・農業」分野で異業種が様々な連携をとり 新しいビジネスや取り組みが始まっています。 北海道増毛町には「リハビリ・リンゴ園」があります。 ここでは農作業・植樹・加工品制作など障害や病気の度合いによって、 ドクターと話し合いながら、作業を進めていきます。 リンゴを育てることで、身体的・社会的・精神的にも良い状態にする 園芸療法を行っています。 また、高齢で重たい野菜が持てない、野菜を食べきれないといった声から、 食べきれるサイズの野菜が出来る種の開発がされることもあります。 食料・農業→医療・福祉だけでなく、医療・福祉→食料・農業の連携です。

医療農業観光事業

他にも観光を通して「医」と「農」をつなげる事業があります。 「医療農業観光事業」です。 人口減少や少子高齢化で後継者不足など町全体が低迷していくのを 何とか食い止めるために考えられたものです。 北海道の自然に触れ合う農業体験と最新の人間ドック体験を行い、 地域で生産されたものを地域で加工して販売することで、 北海道の魅力を伝え、地域の活性化に努めていくというものです。 観光と医療と農業のコラボレーションです。 土には人をリラックスさせるニオイがあります。 病気で苦しんでいる人の心を癒す力があります。 農作業を教わりながら一緒に作業をして共通の体験や話題を持つことにより、 人や社会との交流が促されていきます。 そして農業は健康の源です。 平成22年の一般診療医療費に占める生活習慣病の割合は31,7%です。 採れたての薬効成分をもつ野菜や果物を食べることで、病気の治療や生活習慣病の予防にもつながります。医福食農同源です。 今、農業の衰退が懸念されていますが、このように異業種と連携をとることで農業の可能性は広がり、もっと元気に活性化されるチャンスは残っているのです。