転換期
日本の農業は転換期を迎えています。 一次産業にとどまっていた農業を、嗜好や質など多様化するニーズに対応できるようにとビジネス化が進んでいます。 農業生産法人の設立や農産物の直売所の開設、植物工場の建設や企業の農業参入です。 法人経営体数と農地面積全体に占める法人の農地利用面積の割合は、2000年の5,272社1.6%から2012年には12,511社4.2%に増加しております。 農業生産法人は農業生産だけでなく、加工・販売から民宿・レストランまで幅広く行っており売上高も増えています。一次農産物生産、二次食品加工、三次流通販売と総合的に関わりさらなる付加価値をつけた六次産業化が期待されています。
農産物の直売所展開
そして都心部に農産物の直売所を展開する動きも出ています。 さらに農産物の直売所の中でも今「道の駅」に注目が集まっています。 農産物に生産者の写真やコメントをのせるため、生産者はより美味しいものを提供し、消費者も安心して農産物を買うことができます。地元の人だけでなく、遠方からもたくさんの人が訪れてにぎわいます。販売農家の3割近い50万前後の農家がこうした直売活動に参加していると言われています。 植物工場では、ハイテクな機械を使いしっかりとした管理下で農産物を育てます。 栽培期間の短いレタスの場合、通常では年2、3回転のところ、植物工場では14回転可能です。季節や天候に左右されることなく安定した生産ができます。 しかし建設コストと運営コストが非常に高く、今後の課題となっています。 農業参入した企業には、自社グループの製品を生かした農業生産を行う企業や、就農希望者の雇用創出のために農場を開設する企業があります。また、食品廃棄物から作られた堆肥を使って野菜を栽培する、完全循環型の農業に取り組む企業もあります。 ただ、どれも短期間で収益を上げることは難しく、栽培方法の確立・農業従事者の育成といった効率的な経営を行うにはまだまだ課題がいっぱいです。 農業界内外でのこういった試みは農業の未来を大きく切り開くものだと期待しています。