脱サラ農業は儲かるのか?収入や人気の理由を徹底解明

 

挿絵1農家として仕事をするというと、昔から農業を営んでいる家庭が親から代々引き継いでいくイメージや、学生の頃から農家志望で勉強してきた人がなるといったイメージを抱く人は少なくないのでは?しかし、脱サラで農業を始める人は少なくありません。なぜ脱サラしてまで就農したいと考えるのか、どんな理由があって農業を選ぶものなのか気になりますよね。今回はそんな農業の人気の秘密と収入事情についてお話していきましょう。

脱サラ農業人気の理由は?具体的に農家の収入ってどのくらい?

挿絵2脱サラをして農業を選ぶ理由としては、主に2つあります。1つは田舎暮らしや土に触れる生活に癒されるから、都会から離れて暮らしたいから、元々農作業が好きでやりがいを感じるからといった、田舎暮らしや農業への憧れや羨望の気持ちから農業を選択するというものです。
そしてもう1つ重要な理由として、青年就農給付金の存在があります。2012年に若者向けに農林水産省が構築した給付金制度で、農業の研修を受けているあいだや就農直後の時期に最大で年間150万円の給付金が受け取ることができます。つまり、収入が得られない時期に対する若者の不安を金銭的にフォローしてくれるので、若者が農業に参入しやすくなっているため、脱サラして農業を始める人が多くなっているわけです。
問題の具体的な収入ですが、農林水産省の調べを参考にすると、たとえば約300坪の畑でキャベツを栽培する場合は20万8,000円の所得が得られるようになっています。もし300万円の収入を得たい場合は、およそ14.4倍の広さの敷地が必要なわけですから、約4,320坪の畑を管理する必要があるでしょう。約300坪でおよそ117時間の労働時間が必要とされていますから、300万円得るために必要なのは1684.8時間です。つまり、365日×24時間÷1684.8時間で単純計算をすると、休日は考慮していないものの1日あたり5.2時間程度働けば300万円の収入を得ることが可能ということになります。2013年の国税庁の調べでは20代後半のサラリーマンの平均収入は339万円ですが、労働時間と合わせると農業には大きな魅力があると言えるでしょう。

すべての農家が儲かるわけではない!農業における注意点

挿絵3農業はやりがいがあり、成功すれば高い収益も見込める職業ではありますが、必ずしもすべての農家が儲かるというわけではありません。脱サラや転職して就農し、農業に挑戦している人は少なくはありませんが、失敗や挫折をしている人も一定数はいるのが現状です。失敗してしまう原因は人によってさまざまですが、主な例として挙げられるのは準備期間の不足や備え不足、短期間での挫折です。
まず準備期間ですが、簡単に言えば勉強期間のことになります。農業研修や学校での勉強を経て就農をする人が主ですが、たとえ1年に渡って勉強をしっかりしたとしても農業技術を把握できたとは言えません。知識が足りない可能性もありますが、何よりも経験が足りないためです。さまざまな天候不良やすべての季節への対応、多くの問題への対処について経験し、それぞれの的確な対処方法を身に付けていなければ農業技術について詳しく知っているとは言い難いです。だからこそ、研修期間だけではなく、その後の1年~2年の経験も大切な準備期間になります。知識や経験がある場合は、リスクに対する備えが足りないことが原因です。しかし、農業を始めた人が陥りがちなのが、短期間での挫折です。最初の1年~2年で思うように収益を得られなかったり、損失が出てしまったりした場合、そのまま農業から手を引いてしまうのが一番の失敗だと言えるので十分に注意しましょう。

差を分析して農業での成功を手に入れよう!

脱サラして農業を成功させている人は、まず農作業が好きでやりがいを感じている人が多いのが特徴です。失敗する人は収益や効率を優先し、目先の利益に捉われがちであるため、長く続けることができません。農業が好きでないのなら、なおさら続けるのが苦痛に感じてしまい、そのまま辞めてしまうケースもあります。農業をやってみようと思うのなら、まずは自分に向いているかどうか、やってみて楽しいと思えるかどうかを重視しましょう。
また、農業に成功している人は研修を受けた後の計画性に優れている傾向にあります。研修の段階、あるいはその前の段階からどんな農作物を育てるか、どんなところに売りに出すかを具体的に考えています。そのための人と人とのネットワークも上手く構築している人も多いです。農業は地元の人や農業仲間との縁を大切にしなければ長くは続けていくことが難しい業界ですから、そのことを踏まえて上手に立ち回ることも重要になります。ネットワークがあれば、何か壁にぶつかった時にアドバイスをくれますし、実際に助け舟を出してくれることもあります。このような対策をきちんと徹底しているかどうかというのも、農業で成功するか失敗するかの分かれ目になると言えます。成功率を上げるためにはこういった点に注意しながら勉強や農作業に励むようにしましょう。

農業にはどのような大変さがあるのか?

農業として生計を立てるとなると一体どんな苦労やリスクが付きまとうものなのでしょうか?実際に農業を始めるのなら、その問題点については予め知っておきたいものですよね。そこで農業を従事したことがある人を対象に、農業をしていて感じる苦労について調査するためアンケートを実施してみました。

農業は天候の問題と重労働なのが大変!?

  1. 天候の影響を受けやすい。(60代/女性/専業主婦(主夫))
  2. 花粉症なので稲の花粉がしんどいです。(20代/女性/学生)
  3. 基本的に365日決まった休みが無い事。(30代/女性/専業主婦(主夫))
  4. 天候に左右されるので、思ったように収穫できなかったり、イメージしたとおりに進まなかったりすること。(40代/女性/正社員)
  5. 田植えや収穫の農繁期の忙しさが大変である。(60代/男性/無職)
  6. 朝早くて、重労働です。(30代/男性/個人事業主・フリーランス)
【質問】
実際に農業をしていて感じる苦労や大変なことを教えてください。
【調査結果】

フリー回答

調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年06月21日~2017年06月28日
有効回答数:107サンプル

最も目立った意見は天候に左右される面が大きいことと、休みが思うように確保できないというものでした。農作物を扱う仕事ですから商品として上手に美味しく、かつ見栄えも美しく育てるためには細心の注意を払う必要があります。それ故に天候が心配であったり、好きに休みが取れなかったりしてしまうことが考えられます。また、天候によって農作物が上手く育たないと収入に大きな打撃があることが懸念されます。回答を見る限りでは、ほかにも重労働であることや、花粉症の場合はしんどさを感じることなどが問題だと言えそうです。

時間的な自由はあるが農家ならではの大変さも忘れてはいけない

農家はサラリーマンのように雇用されたり、通勤を強いられたりといったことがありません。オフィスならではの堅苦しい人間関係を築いていく必要やお堅いビジネスマナーについてあまり意識する必要もないという利点があります。そういった点は脱サラしたい人から見ればとても魅力的に映るものですし、実際に開放的な面はありますが、農家ならではの苦労や大変な面もあることを忘れないようにしましょう。
農家も人的ネットワークを構築する必要がありますから、人付き合いが全くないわけではありません。1人きりで農業を営むなら販売先を確保するために自分で営業をかけなければならないという苦労もあります。ただ、何よりも苦労する点と言えば、肉体労働が挙げられるでしょう。農業の規模にもよりますが、早朝から日が暮れるまで働き詰めになることは決して珍しいケースではありません。そこまで長い時間働く必要がなかったとしても、毎日農作物の様子を見に行かなければならないので休みがない、真夏の炎天下だろうが雪の降る真冬だろうが、土砂降りの雨や台風のなかだろうが関係なく農作物を守らなければならないといった苦労があります。脱サラして農業を始めたいと考えているのなら、こういった苦労をすることを前もって頭に入れておくことを忘れないようにしてください。

独立前に農業法人で働いて経験を得てみる

独立する前に、一度農業法人で経験を積んでみるのがおすすめです。農業の実務を経験することで、自分に合っているのか合っていないのかといったところもわかりますし、働き先の農家さんが師匠として今後独立していく際に助けていただける可能性もあります。農業法人を探す際に、おすすめの求人サイトは「あぐりナビ」です。「あぐりナビ」は農業求人数がNO.1で、未経験OKの求人も多数あり、アドバイザーの手厚いサポートもあるので安心して仕事探しができます。

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まとめ

青年就農給付金という農林水産省からの援助によって脱サラをして就農する人は多いですが、農業は将来性と苦労の二面性を持ち合わせています。成功すればサラリーマンより稼ぐことも可能ですが、そのためには相応の苦労や挫折しない気持ちを持つことが重要です。特に、農業のリスクや肉体労働面の過酷さについては良く知っておいたほうが良いでしょう。どのように農業を営んでいくか、どうすれば失敗しないものなのかを良く考え、成功させるための努力や工夫を怠らないようにすれば明るい未来を切り開いていくことができます。

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