体も心も健康でいたい、家族にも健康でいてほしいと考えるのなら、有効的な手段として知られているのは食育です。しかし、近年では単純な食育ではなく、さらにパワーアップした食農教育というものが注目されています。農業と食育を掛け合わせた食農教育とは一体どういうものなのでしょうか?食育とはどんな違いがあるのかも気になりますよね。今回は、重要な3つのキーワードを踏まえて、農業と食育の関係性について紐解いていきましょう。
私のこだわり!食育の一環として○○を実行しています!
健全な食生活を送るための食育といっても、その方法はさまざまなものが挙げられますよね。どんな方法が一般的なのかを知るために、食育の一環として実行していることについてアンケートを取りました。
農業や家庭菜園を通じた食育を実行!
- 農業を通じて米や野菜の生産の過程を勉強してもらうこと。(10代/男性/学生)
- 実家で田植えを人力でやっているので、毎年参加している。田植え機はあえて使わず、食育の一環として行っている。(30代/男性/正社員)
- 自宅の庭で家庭菜園をしている(20代/女性/正社員)
- 畑の近くを通りかかったら野菜がなっているかみたり、直売所で購入する。時々一緒に調理する。(30代/女性/個人事業主・フリーランス)
- 旬の食材を取り入れるようにしている。(20代/女性/パート・アルバイト)
- いただきます、ごちそうさまは必ず言う事。(20代/女性/専業主婦(主夫))
- 【質問】
- 食育の一環として実行していることを教えてください。
- 【回答結果】
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フリー回答
調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年06月16日~2017年06月23日
有効回答数:100サンプル多かった意見は家庭菜園をしているというものでした。実際に農作物を育てる過程を見せることが食育に繋がると考えているようです。農業を体験することを食育の一環としている意見もありましたし、農業の有用性の高さが伺えます。他の意見を見ると、食事の挨拶をする、直売所で野菜を購入する、一緒に料理をするといった方法も食育には効果的だといえるかもしれません。
「農業体験」を通して食や健康の大切さを知る
食や健康の重要性について知るには、農業体験をするのが有効的な方法になります。農業は文字通り農作物を育てる仕事のことですから、食物が育つ過酷さや神秘性、重要性などを学ぶことができます。食べ物と向き合う仕事ですから、農業体験をすれば食べ物や健康な体の大切さも知ることができるでしょう。既に知っているつもりでも、農業体験で土の感触や農作物が生きていることを間近で感じられると、その大切さに改めて気づかされるものです。普段はスーパーや通販などで当たり前のように購入できる農作物も、農家による努力がなければ成り立ちません。日頃買い物をする中ではあまり意識しないままになってしまうことですから、農業体験をする機会を設けることは非常に重要だといえます。
特に、食育を意識するのであれば、子供と一緒に親子で参加してみることに大きな意味があります。子供は食や生の大切さに関する新たな発見ができますし、大人はその再確認が可能です。家庭菜園をするのも1つの手段ではありますが、成功させるためのハードルが高めですし、上手く育てられないと農家や農作物の尊さを伝えるには不十分といえます。そもそも子供に直接育てさせなければ、食育としての意味は成しません。その点、農業体験は気軽に参加できますし、プロの農家の人のサポートや指導のうえで収穫や植え付けができますから、食育としての大きな効果をもたらすでしょう。
「地産地消」でその土地の文化を知る
食農教育の一環として欠かせないのが、地産地消です。地産地消とは、簡単にいえば地元で作られた食材をそのまま地元で消費することを指します。採れたてで新鮮な旬の食材を食べることで、その食材が作られたばかりである事実を身近に感じられます。新鮮なものであれば美味しく食べられるというメリットもあるでしょう。
また、直売所で購入した地元の野菜であれば、生産地から自宅の食卓に並ぶまでの距離があまりないので、地球環境の保全活動にも繋がります。距離があるような地域から運ばれる野菜だとトラックで運んでくる必要があります。海外からの輸入品なら船を使いますから、その分だけ地球環境に負担がかかります。1つの家庭が地産地消を実施することによる影響は微々たるものかもしれませんが、取り組む家庭が増えれば、その分だけ地球への負担を抑えることができるのもまた事実です。地球環境の保全は食農教育に関連した大切なことですから、積極的に地産地消に取り組む価値は大きいといえるでしょう。
地産地消を実践するメリットとしては他にも、地元の農業の活動に貢献できるという面があります。農業の支えになれば、地域を活気づけることにも繋がりますから、食農教育以外の面でも役立てるのは確かです。
家族の「絆」を見直す機会になる
現代では核家族化や夫婦の共働きが当たり前になってきているため、家族が揃って食事を摂るという習慣は失われつつあります。家庭によっては食事時間がバラバラであるがために自炊を怠っているケース、家族で食卓を囲むのは滅多にないといったケースもあるでしょう。そのような現代だからこそ、食農教育で食を身近に感じられれば、家族で食卓を囲むことの大切さに改めて気づけるきっかけになり得ます。そのために有効的なのは、やはり食の尊さを確認できる農業体験や地産地消です。
特に、家族で農業体験に参加すれば、家族が揃って同じタイミングで食の重要性を再確認することができるでしょう。また、農業体験自体にもとても大きな意味があります。農業体験では一緒に農作物を収穫したり、種や苗の植え込みをしたり、場所によってはそのまま採った農作物を調理して食べたりといった体験ができます。これらを一緒に経験することによって、家族間の円滑なコミュニケーションを取ることも叶うでしょう。家族間の絆を深めるにはコミュニケーションが必要不可欠です。
家族が揃って食卓を囲むことがなくなってしまった家庭の場合は、農業体験や地産地消をきっかけとして、家族関係の修復を試みることをおすすめします。
まとめ
食農教育の特徴として「農業体験」と「地産地消」、そして家族の「絆」という3つのキーワードについて紹介してきました。食べ物を美味しく食べるという目的だけではなく、それを通じて考えるべき食や健康な体の重要性について改めて確認することができたのではないでしょうか。他にも、地球環境保全や地域への貢献、家族間の絆やコミュニケーションなど、食農教育で得られるものはさまざまあります。食は、それだけ数多くの事柄と密接な関係にあります。このようにさまざまな良い影響をもたらすためにも、大切に食事をすることを意識してみてください。