兼業で稼ぐことはできる?公務員を辞めずに副業で農業収入を得る方法

 

挿絵1教師や税務職員、警察官などといった公務員は副業禁止というイメージが強いですよね。たしかに原則禁止という背景はありますが、副業に関しては何でもかんでも許されないというわけではありません。無許可の場合は停職や免職、減給になることもありますが、きちんと許可を得ていれば兼業は可能です。また、例外的に公認されている副業として代表的とも言えるのが、農林水産業である兼業農家です。そこで、兼業農家の場合はどんな風に経営をしていくものなのかについてまとめてみました。

兼業で農業を営む場合のコツ

挿絵2公務員が兼業農家を始める場合、まず忘れてはならないのがルールです。副業が原則禁止とされている理由は、信用失墜行為の禁止や守秘義務、職務専念の義務が法律で定められていることにあります。しかし逆に言えば、これらの法律に抵触しない範囲でなら、特に問題はないということです。兼業農家の場合は公務員としての信用を損なうような仕事内容というわけではありませんし、例外的に認められている分野の仕事ですから、特別に許可を得る必要はありません。周りへは副業で農家をしていることを打ち明けなかったとしても、特に問題視されることはないでしょう。副業をしていることを打ち明けないと働きにくいような環境であれば、前もって打ち明けておくのもひとつの手です。ただ、営利企業を営むことや営利を主目的とした大規模な経営は認められていないので十分に注意する必要があります。それを打ち明けずに農業を続けるとなると法律違反になってしまうので気をつけましょう。そのまま続け、後になって職場に発覚してしまうと本業に大きな支障が出てしまいます。
また、兼業農家を営む際は上手く両立することも大切です。職務専念の義務がありますから、これを怠ってしまうほどに農業へ集中し過ぎてしまうと問題になる可能性があります。そうならないようにバランス良く農業への時間を割くように心がけてみてください。

兼業農業はどれくらい忙しいのか実態調査!

グラフ兼業で農業を営む場合、本業とは別で働く時間を設けるわけですから、専業の人に比べるとかなり忙しそうですよね。実際のところはどれくらい忙しくしているものなのでしょうか。兼業農家をしている場合の休日の割合についてアンケートを取ってみました。

【質問】
兼業をしている場合、週の休みはどれくらいですか?
【回答結果】
回答 回答数
週2 16
週1 32
週0 33

調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年06月21日~2017年06月28日
有効回答数:81サンプル

休みなしが基本?休めても週に1回!

アンケートの結果、最も多い回答は週に0回でした。

  1. 農作物は生き物と同様に365日世話が必要なので、休日は基本的にありません。(30代/女性/派遣社員)
  2. 基本的にはありません。雨と休みが重なった時が休みです(50代/男性/正社員)
  3. 休みはいつも農業です。耕作をしています。(50代/男性/公務員)

本業の休日には毎回農業に時間を当てている、農作物を育てるのには休みがないというのが主な理由のようですね。本業の休日と雨の日が重なったときにだけ休めるという意見もあり、兼業農家の場合は基本的には殆ど休めないというのが当たり前なのかもしれません。2番目に多かったのは僅差の回答数があった週に1回となっています。

  1. 家族で行っているので、週に1回は休みが取れます。(30代/女性/パート・アルバイト)
  2. 農繁期になるとなかなか休みが取れない。(50代/女性/専業主婦(主夫))
  3. 週1くらいで休まないと身体がもたないので(20代/女性/学生)

家族で一緒に農業をしている場合には安定して週に1回は確実に休みが確保できると考えられます。また、週に1度は休まないと体力が持たないからという意見にもあるように、体調管理を優先させている姿勢もうかがえますね。時期的な問題として、農業が繁忙期に入るとなかなか休みが取れない傾向にあるようです。
結果を見る限りでは、ほとんどの人は全く休みがない、あるいは休めても週に1度のみとなっているようですね。兼業農家をするとなると、本業と合わせて働く時間を割かなければならないため、休みを削る覚悟は必須なのかもしれません。

兼業農家の人って実際にどれくらいいるの?

挿絵32017年の農林水産省の調べだと、販売農家は全体で約120万戸いますが、そのうち専業農家は38.1万戸、農業を主とした兼業農家は18.2万戸、他の仕事を主とした兼業農家は63.8万戸となっています。つまり、専業農家に対し、農業をサイドビジネスとした兼業農家はその2倍近くいるということです。農業に興味や関心があって副業として活動しているという人がそれだけ多いということになります。
農業に興味を持ち始めてとりあえず兼業で始めてみた人、農業に興味はあるが専業でやるだけの勇気がない人、本業としてはやる気がない人までさまざまいると考えられるでしょう。興味や関心の度合いがどれほどなのかは人によって異なりますが、もし万が一失敗してしまったとしても本業で稼ぐことができるので、兼業のほうが農業を始める敷居が低いのは確かです。また、これから農業を本格的に始めたいと思っているけれど、経験を積みながら少しずつ本業としてシフトしていきたい、今の仕事をすぐには辞められないなどといった事情がある場合にも兼業という形は役立ちます。

兼業農家を始める場合には補助金制度をうまく活用しよう

兼業としてこれから農家を始めるのなら、学校での勉強や研修を受けるための費用や、農作物を育てるための土地を確保する費用が必要となってきます。人によっては自分自身の給料で得た収入や貯金を切り崩せば十分賄えるかもしれませんが、せっかくなら補助金制度を利用することをおすすめします。
農業には農林水産省が設けた青年就農給付金という制度があるので、こちらを活用しましょう。青年就農給付金は、これから新規就農をする人の収入が確立できるまでの救済措置を目的とした制度です。研修期間のあいだをサポートする準備型と、新規就農後に年収250万円を獲得できるまでの経営開始型の2つがあります。原則的に45歳未満という対象がありますが、条件さえクリアしていれば給付金を受け取ることが可能です。経営開始型の給付金の場合、新規就農後は5年間まで、1年につき150万円の給付金を受け取れます。給付金で得たお金の使い道は指定されていないため、農業への投資に限らず、生活費に充てても問題ないのが魅力です。ただ、あくまでも農業経営を安定させるために支給されるお金ですから、お小遣い感覚で使うことは推奨できません。
給付金とは異なりますが、青年等就農資金という制度もあります。こちらは無利子のローン制度で、最大で3,700万円の融資を受けることが可能です。条件は青年就農給付金よりも厳しいですが、融資を受けて本格的な設備を整えてから農業に励みたいという人には向いているでしょう。

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まとめ

兼業農家として新規就農をするのなら、まずは青年就農給付金や青年等就農資金の活用を検討しましょう。特に青年就農給付金は返金する必要のない助成制度ですから、積極的に利用したほうがお得です。こういった制度をしっかりと利用して、農家としての事業を安定させていくことで副業であっても安定して稼げます。高い収入を得られれば、人を雇って、自分1人だけで休みなく身体を酷使して働くという過酷な状況を改善することもできるでしょう。