まずはじめに
かつて日本は農耕、稲作が食料確保のメインの行動であって、日本人の食文化の多くを占めるのが国産の野菜や大豆、米などでした。しかし、第二次世界大戦後、連合国統治時代を経て、日本の食文化は大きく変わりました。米も玄米ではなく高度に精製された白米が主流になりましたし、輸入の小麦が原料であるパスタなどの麺やパン食も普通の食生活になりました。また、魚中心だった食生活が、肉食に偏り、ファーストフードやジャンクフードといった食品も多く誕生しました。現在、日本の食生活は過去と大きく変わりつつあります。
食生活の変化と農業の関係
これだけ食生活が多様化し、特に都心部では低価格で、このような食生活をすることが出来るメリットがある。しかし、日本の農業は高度経済成長期から随分と衰退し、現在農業が占める国内総生産の割合はわずか1%にまで成り下がってしまいました。この飽食の時代と、農業の衰退。これがどのようなことをもたらすか分かるでしょうか?近い将来、必ず全世界的な食料危機は起こり得ます。しかし、日本の農業の自給率は低く、もしこのような危機が起こった場合、食料を輸入に依存する日本は間違いなく食糧難に陥ってしまいます。減反や補助金政策を辞めるべきであることは前回の文章で述べましたが、食糧難という意味でも、国内自給率をあげることは非常に重要な課題になります。
古来の日本型食生活の重要性
現在、欧米などでは健康意識の高まりから、日本食が大きなブームになっています。肥満や成人病が多い欧米諸国では、本来の日本食の持つヘルシーで健康的な側面が注目されています。今回のテーマは健康、特に日本人が長寿である秘訣とそのための農業について考えていきたいと思います。特に、欧米で増え続ける成人病、肥満と食生活、本来の日本食が持つ豊富な栄養素と、健康への効果、そしてその食品を作るための農業の可能性について書いていきます。