激増するアレルギー疾患
また、日本で今一番問題となっているのはアレルギー疾患の拡大です。アレルギーとは、花粉症や喘息、アトピー性皮膚炎に代表される免疫プログラムの過剰反応で、本来排除する必要の無い物質に対して、過剰に免疫が反応する疾患を言います。過去に比較して、日本人のアレルギー疾患の患者は爆発的に増えています。特に花粉症などは日本で2000万人以上も患者の居る、国民病のような状況になってしまっています。このようなアレルギー疾患の激増は、どういったことが原因なのでしょうか?
アレルギーの原因と予想されるもの
一般的に、後進国や貧しい国ではアレルギー疾患は無いと言われます。では、なぜ日本や欧米といった先進国がこのような疾患に悩まされているのでしょうか?まずひとつに、居住空間の問題があるようです。後進国とは違い、日本や欧米は高度に気密性の高い住宅が一般的になってきました。このような気密性の高い住宅は、ダニやハウスダストを密閉してしまう傾向があり、これらがアレルギー発症の原因であると言われています。また、食生活がより便利なものになるにつれ、食品に含まれる化学物質も増えてきました。アレルギー発症の原因が、合成保存料や着色料などの化学物質であるという医師も数多く存在します。そして、高糖質、高脂質な欧米型の食生活に移行していったことも、何らかのかたちで関与していると言われます。
食生活とアレルギー
アレルギー反応は東洋医学で言うところの陽の反応、つまり熱が関与していると言われます。確かにその理論でいけば、高エネルギー食である欧米型の食生活はアレルギーを悪化させると言えるでしょう。アレルギーを緩和できるのは、野菜や大豆、海産物をふんだんに使った高タンパク、高栄養な本来の日本食であると言えそうです。このように、現在の欧米化した食生活や便利な食生活などを、従来の丁寧で高栄養素、高タンパクな食事に戻していくことが、いまや国民病であるアレルギーを緩和するひとつの方法ではないでしょうか。