事業を行う人々は、当然その事業を成功させなければいけませんが、その事業を行っている法人・個人に関わらず国が資金を提供することによって事業をバックアップする制度があります。それが補助金制度です。補助金を給付することによって、法人・個人の事業への取り組み方が広がり、その事業を活性化させる効果をもたらすことがこの制度の目的です。古くから日本の重要な産業である農業でも、この補助金制度は適用されています。ここでは、農業における補助金制度の種類をご紹介します。
地域の活性化をバックアップ!農林水産省による補助金制度
農林水産省が行っている農家への補助金制度は2種類あり、「食と地域の交流促進対策交付金」と「農業主導型6次産業化整備事業」です。前者は、農林漁業に関わる人々の収入の向上、または集落の維持および過疎化する現状の再生を図るために、農林漁業の活性化を図ることが目的の補助金です。活性化させるためには、日本の豊かな土地が生む食材を筆頭とした地域資源を最大活用し、創意工夫を凝らした農村の交流などを促進させることが重要です。このような課題への対策を拡大させるために、地域にとって使用しやすい資金を交付するために生まれたのです。「 農林水産業に関わる者が対策への中心的な役割をになうこと」「自立的かつ継続的な取り組みで、なおかつ将来、効果が見込まれること」などの受給条件を満たせば受給資格を得られ、支給額は1地区あたり上限250万円と設定されています。後者は、農業に関わる法人などが生産だけにとどまらず、加工や流通、販売など、農業事業者が手動の経営における6次産業化を実施する事業で、農業もこの事業の範囲となっており、補助金を受給できる資格を有しています。6次産業化に必要である機械の導入、販売場所の整備をバックアップするのが目的といわれています。「小規模な企業であり大企業の子会社でないこと」などの条件を満たせば受給できます。受給額の上限は5,000万円です。
新商品・サービスの開発に適用!各経済産業の補助金
各経済産業が実施している補助金「地域資源活用事業」は、農業も受給対象となっています。地域資源活用事業とは、地域の中小企業者に当たる人が共通して利用することができる補助金制度です。農林水産物、生産技術、観光資源など、その地域の特徴的なものとして認知されている地域産業資源を利用して、中小企業者が商品の開発、生産、需要の開拓などを行う事業のことを指します。この事業は補助金の対象となっており、中小企業者などが個人または共同で地域資源を利用して新商品および新サービスの開発、市場化を行う「地域資源し活用事業計画」を作成し、その計画書を国に提出して審査をクリアすると法的および予算処置、あるいは金融処置などの各種支援処置を受ける資格を得られます。受給資格はほかに「5年以内に実施できる計画であること」などの条件があります。受給できる補助金の金額は「新商品の開発や市場調査、試作品開発などの経費の一部を補助」という名目で、上限3,000万円が受給できます。
新規事業の開拓をサポート!各経済産業局の補助金
各経済産業局が行っている「新連携支援事業」への補助金制度も農業は対象となっています。新連携支援事業の「新連携」とは、異なる分野のいろいろな中小企業が有機的に連携し、その経営資源(各中小企業が持っている技術、設備、個人の知識や技能、そのほか事業活動に利用される資源)を有効に組み合わせて新規事業をおこなうことにより、新しい事業の開拓を図ること、と定義されています。各中小企業の横のつながりを構築するだけでなく、構築された連携により新しい事業を利益が出るビジネスとして成功させ、中小企業を活性化させることを目的とした事業なのです。この事業計画を国に提出すると、中小企業等経営強化方に基づき国が審査をして認定を受けると、補助金を受給することができます。また、政府系金融機関の低い金利に設定された融資、信用保証の特例などの支援を受ける資格を得られます。受給条件は「異分野の中小企業が2社以上集まっていること」「計画金が3年から5年」などがあります。補助金の支給額は、上限で3,000万円と設定されています。