ところ変われば農作物の種類も変わる!アメリカで栽培されているポピュラーな農作物とは

広大な国土を持つアメリカは、国土の40%ほどが農業用地という世界的な農業大国です。ハワイやアラスカも所属しているアメリカでは、熱帯から寒帯までさまざまな気候帯があり、また乾燥地帯から半乾燥地帯まで幅広い気候の条件が揃っているため、さまざまな農作物が栽培されています。今回はそのなかでもとりわけ世界的に生産数が多く、「この作物といえばアメリカ」と言わしめるほど有名な作物を3つピックアップしていきます。

海外の農業情報の写真 アメリカといえばパンの国!パンといえばやっぱり小麦

アメリカはヨーロッパ系の移民が多く、アメリカにとって小麦は日本人にとっての米みたいなものなので、小麦は日常的に広く食されているといえます。アメリカでの小麦の生産高はおよそ6,000万トンであり、日本では80万トンほどとなっています。そのため、生産量には700倍ほどの開きがあるのが現状です。アメリカの小麦の生産量はインドと中国に次いで世界第3位ですが、輸出額は世界第1位を誇っています。世界全体でみると、アメリカの小麦の輸出額は20?30%を占めているため、世界的に影響力がかなり強いことがわかります。アメリカの農作物の輸出において小麦は大豆に次ぐ第2位であり、2013年の時点の輸出額はおよそ105億ドルとなっています。日本における小麦の農業としての生産規模は小さいですが、うどんやすいとんなど昔から小麦は日本でも食されており、また近年は菓子類などでも広く小麦を使用しているため、アメリカから多くの小麦を輸入している状況があります。

海外の農業情報の写真 意外?綿花栽培も盛んなアメリカ

綿花はその名の通り綿の原料となる植物ですが、厳密にいうと花ではありません。一見綿花は特殊な花のようにも見えますが、収穫の時期に繊維が綿の種に生えてきたものが、私たちが綿花と呼ぶものです。綿花の主な用途は衣料品で、綿製品には綿花からとれた綿が使われています。アメリカにおける綿花の生産量は小麦同様中国とインドに次ぐ世界第3位で、輸出額も小麦と同じく世界第1位となっています。アメリカの農作物全体を占める輸出額のシェア数は3.8%と一見多くはないように見えますが、それでも林業や水産業を除く農産物の分野で輸出上位の第5番目に入っています。輸出額はおよそ56億ドルとなっています。日本は年間およそ6万トンの綿花を輸入していますが、そのうちのだいたい50%がアメリカ産となっています。アメリカで栽培されている綿の種類は南米固有の種を品種改良したもので、現在世界的に生産されている綿花の主流であるアプランド綿となっています。

世界第1位のとうもろこし生産量

アメリカを映した映像で、見渡す限りとうもろこし畑という風景を見たことがある人もいるのではないでしょうか。とうもろこしの生産量はアメリカの中でも突出しており、毎年およそ30,000万トンから35,000万トン前後となっています。日本では0.02万トンであることを考えると、アメリカのとうもろこし栽培の規模の大きさが一目瞭然でわかることでしょう。アメリカは世界一のとうもろこしの生産量を誇り、第2位の中国と大きく差を広げていますが、輸出額はおよそ70億ドルです。とうもろこしがアメリカの農作物の輸出全体に占める割合を見ると4.7%ほどと、小麦に比べると規模がかなり小さくなっていることがうかがえます。これは、アメリカ国内で人々がたくさんとうもろこしを消費していることを意味するのではなく、とうもろこしは家畜の飼料や次世代のエネルギーとして注目されているバイオエタノールとして利用されている面もあるからです。そのため、人々はコーンフレークなどとしてもとうもろこしを消費してはいますが、食用以外にも多く使われているのが現状です。また、近年アメリカでは遺伝子組換えとうもろこしを栽培している例も数多くあり、アメリカではますますとうもろこしの生産量が上がる可能性があります。