新しく農業を始めるには、資金や機械など用意しなければいけないものがたくさんあります。そのうちのひとつが農地です。しかし、農地を借りようと思っても一般的な不動産のように貸主と借主の間で契約を結べば借りられるというわけではありません。農地を借りるには、貸主と契約を結ぶだけでなく、農業委員会の許可が必要です。なぜ不動産の貸し借りで第三者の許可が必要なのか、どうすれば農業委員会から許可がもらえるのかをご説明します。
農地を借りよう
家庭菜園ではなく農業として生計を立てるには、それなりの面積の農地が必要です。しかし、どんな土地でも耕せばいいというわけではありません。広い土地が必要となる農家の固定資産税の負担を軽減するため、農地は宅地より固定資産税が優遇されています。裏を返せば、行政に農地として認められていない土地で農業を始めると、税金の負担が重くなってしまうということです。それでは生計を立てることはできないでしょう。ですから、農業を営むためにはきちんと農地として認められている土地を用意する必要があります。ただ、農地を用意するのは簡単なことではありません。農地法には、農業は重要な産業であり農業の基盤となる農地は貴重な資源であると記されています。ゆえに、農地は効率良く適切に使用することが求められ、そのために農地法によってさまざまな制限が定められているのです。そのひとつに、農地を借りるには農業委員会の許可が必要ということがあります。
許可をもらうには?
農地法に定められている農地の権利を取得するための条件は、資産保有や投機を目的としないこと、かつ農地を効率的に利用するための具体的な利用計画があることです。また、その利用計画が周辺の農地に悪影響を及ぼす可能性があると判断されたら許可はもらえません。農業委員会は市町村ごとに設置されているため、具体的な基準は市町村ごとに異なりますが、一般的には就農計画書や営農計画書など、具体的な利用計画をまとめた書類の提出を求められます。就農計画書は農業を始めるまでの道筋を記すためのもので、記載する内容は栽培品目、農業を始める場所、技術を習得するタイミング、資金の調達方法などです。用意できる資金や準備を整えるのに必要な時間を考えて、実現可能な計画を練ることが重要です。営農計画書には、農業を始めたと想定してそれを継続するための計画を書きます。内容は、どのくらいの生産が見込めるか、そのうちどのくらい出荷するか、販売方法や販売ルートはどうするのか、資金繰りにどのくらいの余裕があるのかなどです。理想を書くのではなく、現実的な想定を書きましょう。
熱意を伝えよう
日本は広大な土地があるわけではないので、限りある農地を有効に利用しないと農業が衰退する恐れがあります。ですから、有効ではない利用をしないように農地法によって制限し、耕作目的以外で農地を購入しようとする人や計画性の無さから農地を無駄にする可能性のある人には、農地を取得する許可が与えられないようになっています。しかし、農地法では具体的な基準を定めていないので、許可を与えるかどうかを判断するのは農業委員会の役目です。農業委員会は農地を有効利用しない人に許可を与えることを防ぐため、就農計画書や営農計画書などをもとに審査します。ただ、計画が完璧でも、許可を出した後に農業をしないのではないかと疑われれば許可はもらえません。なぜなら、農業委員会は農地法に従って許可を与えていますが、その農地法は具体的な基準を定めていないので、疑いがあるのに許可を与えるのは農地法に反することになるからです。そのため、就農計画や営農計画をしっかりと練ることも必要ですが、本気で農業をするという熱意を伝えることも重要となります。農業を続けることを信じてもらうことで農地を借り、農業を始めることができるのです。
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