共通点があった!儲かる農業の特徴

農林水産省は平成27年の日本の農業総産出額は8兆7979億円と発表しました。世界ランキングで見ると10位以内に入っており、自給率の低さや農家の高齢化という問題を抱えていますが、日本は農業大国のひとつだといえます。 今では、サラリーマンから農家に転身したという話も珍しくないほど注目を浴びている農業ですが、気になるのはお金の面です。農業は儲からないといわれることもありますが、実際には儲かっている農家も存在しています。そんな儲かる農業にはどのような特徴があるのでしょうか。

農業・農家の収入について農家の収入割合はどのくらい?

農家の収入には2種類あります。1つ目は農業以外には収入がない専業農家です。専業農家は農家全体で3割程度しかいないといわれています。2つ目は農業以外でも収入がある兼業農家で、日本の農家の大半がこの兼業農家にあたります。 農林業センサスは専業農家、兼業農家すべてを含めた2015年の日本国内の総農家数を215万5000戸、そのうち農産物を販売していない農家数は82万6000戸、農産物を販売している販売農家数は132万9000戸と発表しています。年間販売金額別にみた販売農家数は、500万円未満が112万5000戸(84.6%)、500万~1000万円未満は9万5000戸(7.1%)、1000万~3000万円未満は8万4000戸(6.3%)、3000万~1億円未満が2万4000戸(1.8%)、1億円以上が2500戸(0.1%)です。50万~100万円程度の収入といわれている兼業農家の数が多いことも影響し、年間販売金額500万円未満の農家が最多という統計がでています。

農業・農家の収入について農業は儲かるものなの?

自分の経営する農業が儲かるか、儲からないかを左右するのは経営、営業力によります。収入割合の数字だけを見ていると農業は儲かりにくいという印象も受けますが、そうではありません。今の時代、どのような高度な資格を持っていても、どの職業を選んでも儲かる人がいれば儲からない人もいます。同じように農家であっても儲かる農業を営んでいる人たちはたくさんいます。農業において人件費などのコストや収穫量が天候に影響されるリスクは大きな問題ですが、それらも工夫次第で解決が可能です。 農業は単に作物を育てているだけではお金になりません。他の農家との差別化を図るためには緻密な計算と長いスパンで計画を練らなければなりません。このことに気づいていないと儲かる農業を作りあげることは難しいでしょう。逆に、経営方針やビジョンを確立できているならば、儲かる農業になるまであと一歩といってもよいです。このように農業にも儲かる見込みは十分にあります。

ズバリ儲かる農業のポイントはこれだ!

農業で儲かるために必要なポイントは3つあります。 1つ目は顧客を明確にすることです。ターゲットとなる顧客を決めることでどのような農作物を作るべきかが見えてきます。販売する相手によって品目、販売経路、出荷量などが違うため売上が大幅に変わります。今後の農家の利益にも関わってくる重要なことなので早めの意思決定が必要な事項だといえます。 2つ目はコストダウンに努めることです。農業において最小限にとどめておきたい費用のひとつが人件費です。それを実現するために、国が行っている農業研修生制度を利用しましょう。農家側は研修生を雇うことで、できるだけ少ない費用で労働力を確保できます。研修生にとっては農業体験を通して知識を習得できるので、相互に利益がある方法です。また、ビニールハウスをはじめ、必要な設備・機械は中古品を購入することでもコスト削減ができます。 3つ目は組織形態を考えることです。ひとつのグループもしくは個人が一連の作業をこなしていくのか、作業工程を分業するのか、農家によって異なりますが組織形態を整えることは作業効率の向上につながります。