調教師は、競走馬の管理をする仕事です。ただ育てるだけではなく、競走馬として活躍できるようトレーニングしていかなければなりません。収入も、自分が育てた馬がレースで賞金を獲得できるかどうかによって違いがあるので、難易度の高い仕事といえるでしょう。ここでは、調教師の仕事や必要な資格、収入について紹介します。
難易度高め!馬の仕事に必要な資格
馬の仕事である調教師になるために必要な資格は、中央競馬の調教師になるためのJRAと地方競馬の調教師になるためのNARの2つがあります。2つとも28歳以上という受験資格があり、合格率が発表されるわけではありませんが、かなり難易度の高い試験とされています。JRAの試験は、一次試験で学力、身体検査や労働法規の一般的な知識、それに加え調教師としての調教知識などが問われます。二次試験は面接による学力や人間性のチェックが行われます。年に一度しかない難易度の高い試験なので、挑む場合はしっかりとした準備が必要でしょう。一方、NARは年に4回試験が行われ、JRAに比べると難易度も低いといえます。人物チェックや調教知識、競馬関係法規の知識などが問われます。もちろん、身体検査書の提出なども求められますが、一次試験で終了します。そのため、馬の仕事を目指すのであればまずNARの試験からチャレンジしてみるというのも一つの方法です。
厩務員や調教助手からスタート!調教師になるための道のり
中央競馬JRAの調教師になるためには、JRAの競馬学校厩務員課程を終了し調教師試験に合格するというのが一般的です。同様に、地方競馬NARの調教師も、JRA競馬学校や地方競馬教養センターで厩務員課程を学び、調教師試験に合格する必要があります。どんな調教師でもはじめは厩務員や調教助手、騎手からスタートします。厩務員であれば、調教師のもと約20頭の競走馬の管理を行います。担当馬の調教や運動、手入れや餌付け、さらには馬房の清掃などが主な仕事です。調教助手であれば、調教師のサポート的な仕事を行い、騎手は実際に競走馬に乗る仕事です。このような仕事を経て、調教師としての知識や技術を積み重ねていくのです。調教師は、競走馬を管理するだれよりも、知識や経験、実力を必要とします。経験を積むことで管理能力や相馬眼が養われ、よい仕事につながっていくと考えられます。
責任が大きいからこそ高収入!調教師の平均年収とは
調教師の平均年収は約600万円~1000万円と言われています。もし、厩舎従業員として働く場合は、ばらつきはありますが15万円~30万円の基本給に各種手当がつくというケースが多いようです。調教手当や家族手当、日直手当や深夜手当などを考慮すると、一般的なサラリーマンの給料より高額であることが考えられます。もちろん、経験によって実績にも違いがあるので長く働くことにより給料が上がるということも考えられます。推定ですが、年代別の月給では20代で20万円~25万円、30代は25万円~40万円、40代では30万円~70万円といったところでしょう。調教師の仕事は、馬のトレーニングメニューを計画し実践したり、馬主と交渉したり仕事の幅は多岐にわたります。また、レースで勝つための騎乗法などを、旗手と一緒に考えることもあるので責任も大きい仕事です。そういう意味では約600万円~1000万円といわれる平均年収もうなずけるといえます。また、従業員という形ではなく独立した調教師として働くことも可能です。その場合は、馬主から支払われる「預託金」やレースで獲得した賞金のうち10%が主な収入となります。地方競馬では、中央競馬よりレースの賞金額も少なくなるので、必然的に収入も安くなると考えられます。