馬が好きなので、将来は馬に関わる仕事がしたいと考えたときに、はたしてどんな仕事があるのだろうと思うのではないでしょうか。馬がいるところは牧場や乗馬クラブなどです。その中でも、牧場には様々な方向性や考え方があり、馬に寄り添った仕事は多岐にわたっているのです。乗馬や競争馬に関わるだけではない、馬の世界や仕事、また日常の業務の流れについても紹介します。
馬から学べることはたくさん
馬といえば乗馬や競馬。でも馬に関する仕事はそれだけではありません。日本ではまだそれほど数は多くありませんが、馬とふれあうことを目的としたホースセラピーといわれている体験プログラムがあります。このプログラムを実施するためのスタッフとして仕事をするという方法がありあす。ホースセラピーを実施している牧場では子どもに向けに牧場暮らしを体験してもらうプログラムや、大人でも参加が可能な馬とのふれあいをメインにしたプログラムなどを行っています。体験者は自然いっぱいの牧場の環境の中で、馬にブラシをかけたり、餌をあげたりと世話をすることを通して命の大切さを学習したり、引き馬や乗馬などを取り入れて馬との触れ合いを楽しんだりします。このホースセラピーの運営のお手伝いをする仕事です。プログラム参加者は日常から離れて、馬と触れ合うことによりリフレッシュできますし、穏やかな性格の馬に接していると心が落ち着き、色々な気づきや学びにつながることもあります。このような人と馬を繋ぐ体験の対応やお手伝いをする仕事もあるのです。馬に関する知識がなくても、馬が好きな気持ちとやりたいという意欲があれば、こんな素敵な牧場の仕事に就くことも不可能ではないでしょう。
牧場の中での業務は
ホースセラピーを実施している牧場だけでなく、殆どの牧場の朝はとても早いので早起きが習慣になるでしょう。なぜなら、馬の世話をするためには朝の餌やりは毎日欠かせないからです。馬は主に牧草や穀物などを主食としていますし、小柄の馬でも数百kgの体重があります。その体の大きさを維持するために、食べる量の多さに最初は驚くでしょう。バケツだけでは足りずに一輪車などを使って餌やりをしないととても追いつかないのです。また、馬房の掃除もしなければなりません。トイレはついていませんし、馬の病気を防ぐためには衛生的な環境を常に保つ必要があります。このような作業を1日に何度も行うのです。馬が好きなら最初は楽しくて仕方がなくても、慣れてくると単調な仕事の繰り返しになりがちです。ただし、馬は生き物であり、毎日見せる表情は違います。機嫌が良い、悪いなどが仕草から理解できるようになると、作業がそれほど苦にならなくなるでしょう。また、健康管理のために、放牧して運動させることもあります。基本的にはその間は特に仕事をしませんが、目を配っておく必要があります。馬の蹄の状態を確認したり、馬糞の状態を確認したりと馬が常に健康であるために、やるべきこと全てが仕事であるといえます。
どんな人が牧場の仕事に向いているのか
ホースセラピーという比較的新しい馬との触れ合いをメインにした仕事は、常に新しい壁にぶつかることもあるでしょう。裏を返せば、その分だけ挑戦する気持ちがあれば仕事を楽しむことができるでしょう。指導や技術取得に関するサポートが得られる牧場であれば、さらに心強いはずです。プログラム参加者とのやりとりをする機会が多いことから、社交的でなければいけないかというとそうでもないようです。それよりも、早起きの生活が苦にならない人、謙虚な気持ちで覚えていこうという意気込みがある人、時には車や重機を使った作業も発生しますので免許を取得する意欲がある人、何よりも馬が好きで、馬の気持ちを理解しようという純粋な気持ちが伝われば牧場の仕事に就くことができる可能性があります。コツコツと地道な作業が多いですが、自然の中で馬たちと触れ合える仕事に魅力を感じられる人にとっては、とてもやりがいのある仕事と言えるでしょう。