馬に興味があっても、身近に馬がいる環境の地域はごく限られています。そのため、馬が好きな人は、身近なところでは競馬を見に行くこともあるのではないでしょうか。もし、馬に携わる仕事に憧れているのであれば、競馬に関わる馬の仕事がありますが、馬の仕事というとあまり情報量が多いとはいえないためにイメージがわきにくいこともあります。具体的にどのような仕事があるのでしょうか。
厩務員になるには
競馬で馬に関わる仕事といえば、騎手を思い浮かべることもあるでしょう。テレビなどでもレースは放送されますのでとても目立つ存在です。しかし、競争馬はレースに出ていない時間のほうが圧倒的に多いのです。厩務員という仕事があることをご存知でしょうか。厩務員の仕事は、競争馬の日常の手入れや世話をする仕事です。具体的には、担当している馬の馬房の掃除をしたり、エサや水を取り替えたり、ブラシなどをかけながら体調に変化がないか確認したりしています。寒いときには馬着を着けるなど、とても気を遣う仕事です。暑い日も寒い日も馬という生き物相手ですので、気は抜けません。競馬には中央競馬と地方競馬があります。中央競馬の厩務員になるためには、競馬学校に入学し、半年間の厩務員過程を終えた後、採用試験に合格する必要があります。また、競馬学校に入学するためには年齢制限があり、28歳未満であることや、体重制限、視力、聴力に問題がないこと、合計2年以上牧場で働いた経験と乗馬経験があることとされています。募集人数も25名と少なく、とても狭き門です。一方、地方競馬の厩務員は特別な試験や、競馬学校に入学する必要はありません。仕事に就くには競争馬を管理している厩舎で採用されるという方法があります。馬に関わる仕事が未経験でも挑戦することは可能ですが、やはり厩舎に知り合いがいたり、馬に携わる仕事をしていたりという人が有利になる傾向があります。
調教師とはどのような仕事か
乗馬や馬術などの経験がある人は、調教師をしている知り合いがいる可能性もあるので想像しやすいでしょう。しかし、競争馬の調教師という仕事は競争馬を預かる厩舎の経営全般に関わらなければなりません。さらに、馬主から委託された競争馬をレースに向けて調教しなければなりません。馬主からは勝つことを求められているため、大変な仕事です。また、病気やケガをさせないために最大限の配慮をする必要があります。調教師は馬についての知識もあり、かつ豊富な騎乗経験がないとできない仕事であるため、騎手の経験者がこの仕事に就くことも多いです。その他の方法としては、厩務員からスタートして調教助手になることです。しかし、そのままでは調教師になることはできません。騎手や調教助手から調教師を目指す場合には、調教師試験に合格する必要があります。試験に合格してようやく正式に調教師になると、厩舎を開業することができます。
馬についてこれから知りたいときは牧場作業員
競争馬関係の牧場作業員として仕事をするためには、生産牧場と育成牧場のどちらかで牧場作業員になる必要があります。これらは民間の一般牧場です。資格などは特に必要なく、未経験者でも採用される可能性があり、厩務員や調教師と比べると求人は探しやすいといえます。しかし、生産牧場は将来の競争馬候補を産むための牧場なので、仔馬が誕生する春には、大規模な生産牧場の場合、数十頭の仔馬の世話をすることになります。朝日が昇るころから仕事が始まりますし、仔馬が無事に成長するために気は抜けません。育成牧場は仔馬が一定の年齢に達した際に、競争馬になるためのトレーニングや調教を行っています。競争馬になる途中の馬は母馬から離れて、慣れない調教を受けることになります。そのため、年齢も若いことも手伝って、ストレスがたまっていたり、気性の荒い馬もいたりします。乗馬などで活躍しているような人に慣れている馬ではありません。そのため、世話をしている中でケガをする可能性もありますので大変な仕事でもあります。