人が生きるうえで必要となる大切な食生活を支えている仕事が農業です。求められるものや置かれている環境には変化があるものの、昔も今も農業という仕事は常に存在し続けています。しかし、人間の生活に深くかかわる仕事でありながら、実際に農家がどのように一日を過ごしているのか、農業とはどのような仕事であるのかについての知識が不足している人は少なくありません。 そこで今回は、一般的な農家の一日の過ごし方と、農業の仕事の特徴について紹介します。
早起きすることも仕事!日の出とともに動きだす農家の朝
農業の仕事は農地を農業に適した土地に作り替え、米や野菜、果物といった作物を育てて出荷することです。育てる作物により栽培の方法に違いはありますが、通常、農業の多くが外での仕事になります。このため、農家では太陽が出て明るくなっている時間を仕事の時間としています。ただし、取り扱っている作物の種類や成長段階、季節によっては太陽が出ていない夜間に農作物の様子を見なければいけないこともあります。 一般的な農家の一日は朝の5時前後の起床から始まります。起床後に、身支度を終えたら朝食をとる前に農作業のスタートです。身支度に取られる時間はおおよそ30分から1時間となるため、多くの場合5時半から6時頃までには農作業を始めています。体力や集中力もあり、一番仕事がはかどりやすい朝の時間は農家にとって貴重な時間です。特に夏の朝は涼しく、日照時間が延び明るい中で仕事ができるため、仕事がはかどる時間といわれています。一般的には起床後の仕事は1時間半から2時間ほど行い、8時頃から朝食をとって9時頃まで休憩をします。朝の休憩が終わったら、農作業の再開です。多くの場合、午前中の時間を利用して収穫といった畑や田んぼの農作業を行います。12時から1時間ほどの昼食を兼ねた休憩を取ったら、今度は午後の作業です。通常、2時間ほど作業を行います。農家によってさまざまですが、一般的には午後の作業は出荷の準備作業を中心に行うというケースが多く見られます。その後、15時半頃から30分ほどの時間を費やして、おやつや水分を摂取して体を休める小休憩です。体力勝負の仕事であるため、こまめに休憩を入れて体を休めることは大切なこととされています。小休憩の後に1日の最後の農作業を終えたら日が沈み暗くなる時間となる18時頃に仕事は終了です。
1年中同じサイクルではない?時期によって変わる農家の仕事
農家の仕事は生きている作物を育てることです。扱っている作物によっては成長に合わせて作業を行うため、時期に合わせて作業内容が異なってくるケースも多くあります。たとえば、ある時期には肥料をまく作業を行い土づくりに精を出しますが、別の時期には苗を土に植え付ける作業を行います。そして、作物が十分な成長を遂げれば収穫をして出荷をすることが仕事となる時期もあります。 一般的には収穫をし、出荷する時期が繁忙期といわれています。このため基本的には春から夏にかけての期間が農業の忙しくなる時期となり、収穫を終える秋から冬にかけての時期になると農閑期となって忙しさが落ち着きます。 また、季節ものの作物を扱うことで時期によって忙しさの強弱に大きな差が生じる農家もあります。特に母の日のカーネーションや、クリスマスのシクラメンやポインセチアといった限定的な日に求められる出荷が必要な農家は忙しさの時期の差が激しくなります。
体力があることは必須!農家の仕事の特徴とは
農業は体が資本の仕事です。通常1日の作業の合間に定期的な休憩はとりますが、基本的には朝早くから体を動かして作業を行います。1年の間には寒い日もあれば暑い日もあります。また、取り扱う作物の種類や作業内容によっても異なりますが、直射日光の下で長時間作業を続けたり、ビニールハウスの中の蒸した環境の中に長時間居続けたりするということは少なくありません。農業は自然を相手に行う仕事であるため、晴れた日だけではなく、風の強い日や、雨や雪が降っている日にも作業が必要となることもあります。台風などの際には通常の作業とは別に雨や風対策を行わなければいけない場合もあるのです。さらに毎日の農作業では苗の植え付けや収穫といった作業で腰を曲げた姿勢や立ちっぱなしの状態を強いられることもあります。このように、農家で働くということはある程度の体力と精神力が必要とされるのです。 しかし、このような作業はある程度経験すると慣れてしまうという人もいます。また、仕事とはいえ自然の中で日々体を動かすことで体力が付くばかりか、食欲が増え、睡眠も良くなり、健康的な体となるケースもあります。自然の中で季節を感じながら過ごす時間が精神的なストレスを解消してくれることもあるでしょう。さらに、自分の手で気持ちを込めて育てた作物の成長を身近に感じながら見守ることができ、やりがいを感じながら作業を行うことができるという点も農業の特徴といえます。
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