野菜作りに欠かせない種まきは、品種や地域によって、時期や方法が変わります。種をまいたからといって、必ずしも元気に育つわけではありません。むしろ、まき方が間違っていると元気に育ってくれないケースも多いです。せっかくなら上手な野菜作りをマスターしたいものです。野菜作りを成功させるために、ぜひ種まきの基本を押さえておきましょう。種まきの時期や種まきの方法、発芽がうまくいかないときの原因と対策などについて、詳しく解説していきます。
野菜によって異なる種まきの時期
野菜の品種や地域によってベストな種まき時期は変わりますが、大まかに春まきと秋まきに分かれます。たとえば関東地方の平野部だと、春まきは3月中旬から5月下旬、秋まきは8月中旬から9月下旬頃が一般的です。春まきの野菜はエダマメやトウモロコシなどで、トマトやキュウリなど直まきが適さない野菜は苗を植えつけます。秋まきはハクサイやブロッコリーなどで、こちらも苗を植えつけます。品種によっては春まき(春植え)と秋まき(秋植え)の両方が可能な野菜もあります。大根の春まきは3月下旬から5月下旬、秋まきは8月下旬から9月中旬、ジャガイモの春植えは2月下旬から3月中旬、秋植えは8月下旬から9月上旬です。ただし、東北地方や北海道のような冬が厳しい地域の場合、品種によっては秋まきや秋植えだと越冬が難しく、春まき(春植え)のほうが育てやすい野菜もあります。夏に収穫をする夏野菜は春まき、冬に収穫する冬野菜は秋まきであるケースが多いですが、例外もあります。秋植えで収穫は翌年の春夏である玉ねぎのように、植付けから収穫までの期間が長い品種も存在します。野菜作りをする際は、それぞれの品種が持つ特徴を押さえたうえで、栽培する野菜を決めるようにしましょう。
基本の種まき方法3種類
種まきには、点まき、ばらまき、すじまきの3種類があります。点まきとは、土にあけた丸い穴に、種を2粒~5粒ほどまく方法です。穴の大きさは直径約2ミリ程度で、エダマメやインゲンなどの豆類や、大根、ハクサイなどに向いています。ばらまきとは、平な畝に種をばらまく方法で、ほかのまき方と比較すると楽に種まきができます。すじまきとは、畝に作った細長い溝に種を等間隔でまく方法です。人参やほうれん草、小松菜などに向いており、二条まきにする場合は溝と溝の間を15センチから30センチほどあけます。種をまいたら土をかぶせますが、種には光を好む好光性種子と、光を嫌う嫌光性種子があります。好光性種子は光がないと発芽がうまくいかないため、土をかぶせるとしても0.5~1センチ程度です。嫌光性種子の場合は逆に光があると発芽が抑えられてしまうため、種の直径の2倍~3倍程の土をかぶせるのがポイントです。また、種の中には直まきでうまく育つ品種と、育たない品種があります。大根や人参など移植に適さない野菜は直まきでOKですが、トマトやナス、キュウリなどは土の中で発芽させるのが難しいため、苗を植えつけるのがおすすめです。
野菜作りでは種まきが大事!注意していることは?
農業や家庭菜園に興味がある人を対象に、野菜作りで行う種まきで注意していることを聞いてみました。
種の間隔や土のかけかたなど注意ポイントがたくさん!
- 発芽適温を調べて、適した時期に種をまくようにしています。(30代/女性/専業主婦)
- すじまきと言う方法を採用しています。等間隔に並べて水分、空気、肥料が十分行き届くようにしています。(70代/男性/無職)
- 種をまく間隔に気をつけている。近すぎると、芽が出て大きくなったときに窮屈となり、最終的に収穫もあまりうまくいかない。栄養や太陽の光が平等に行き渡るようにするためにも、間隔は大切。(30代/女性/個人事業主・フリーランス)
- 土の深さと、どれだけ土をかけるかは気にしています。あまり浅いと鳥の餌になるし、深いと芽が出ないので。(20代/女性/専業主婦)
- 【質問】
- 家庭菜園や農業などで種をまくときに注意していることがあれば教えてください。
- 【回答結果】
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フリー回答
調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年08月02日~2017年08月09日
有効回答数:225サンプル
種の間隔や埋める深さなどに気をつけている人が多い印象でした。鳥に種を食べられないように工夫している人もたくさんいるようです。 みなさん、それぞれ注意ポイントに気をつけながら種まきをしているようです。まき方によって発芽率やその後の生育が変わりますので、野菜作りのなかでも、種まきは非常に大切な作業だと言えるでしょう。
種まきしたけど芽が出ない… トラブル対応解説
種には発芽に適した温度があるため、適温より高すぎても低すぎてもうまく発芽しません。たとえば、発芽温度が20度前後のほうれん草は、夏の暑い時期に種まきをしても芽が出ない可能性があります。日本では異常気象が続くこともあり、種まきの時期になっているにも関わらず、高温時期が続くことがあります。このようなときは、芽出しがおすすめです。種をガーゼで包んだら一晩流水につけて、2日~5日冷蔵庫の野菜室に入れておきます。種から1ミリ程度の根が出てきたら、種まきをしても大丈夫です。種は土が乾燥しすぎても発芽しません。種を植えたら芽が出るまで十分な水を与えましょう。ただし、品種によっては水のやりすぎで発芽不良を起こすケースがあります。水はけの悪い土地で育てる場合は特に、水のやりすぎには注意です。一般的には、種まきをした直後はたっぷりと水を与え、土が乾いたタイミングで水やりをします。種が流れないように、じょうろの弱い水流で水やりをしてください。種を購入すると袋に種のまき方や水やりの仕方など、野菜作りにおいてのポイントが記載してありますので、参考にすると良いでしょう。
まとめ
野菜作りにおける種まきの一般的なポイントを紹介してきましたが、品種や気候、土壌によってベストな種まきのタイミングや方法は変わります。まずは種まきの基本と品種ごとの特性を覚えていきましょう。注意ポイントを押さえたのに発芽しない場合は、種自体が弱かった可能性もあります。1人で解決できない場合は、市民農園の講習会や体験農園などに参加して相談してみてください。野菜作りは失敗と成功を繰り返しながら上達していきます。おいしい野菜を作るために、コツコツとがんばっていきましょう。
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