野菜作りは基本が大事!土から種までこだわる野菜の上手な作り方

 

挿絵1野菜作りに大切なのは、土作りや肥料、種の選び方、種まきの方法など、さまざまな要素があります。上手に野菜を作るには、それぞれのポイントを上手に押さえること。発芽しなかったり生育途中で枯れてしまったりした場合は、何らかの原因があります。野菜作りを成功させるにはどうしたらいいのか、野菜の上手な作り方を解説していきましょう。今回解説するのは、すべて基本的なことですので、野菜作りが初めての人は必見です。

野菜作りは難しい?

野菜作り経験者を対象に、野菜作りで一番苦労したことは何か、アンケートを取りました。

【質問】
野菜作りで一番苦労したところは何ですか。また、特に何に手をかけましたか?
【回答結果】

フリー回答

調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年08月02日~2017年08月09日
有効回答数:228サンプル

害虫と天候に左右される野菜の栽培…

  1. 枝豆を作ったのですが、猛暑の時期に成育適温を越える日が続き、弱らせてしまったのが一番苦労しました。変わりやすい夏の天候から守ることに手をかけました。(30代/女性/専業主婦)
  2. 無農薬で育てているので、害虫による被害に遭うことです。害虫が媒介する病気にかかることもあり、見つけ次第捕殺するようにしています。できるだけ農薬を使いたくないので、日々害虫との闘いです。(40代/女性/専業主婦)
  3. 毎日の水遣りです。平日は仕事をしているので。(30代/男性/正社員)
  4. プランターで育てているため、栄養不足になりやすいので土の栄養管理が一番苦労しました。(30代/女性/個人事業主・フリーランス)
  5. バジル、シソ等の葉物です。バッタが発生し出すと、あっという間に丸坊主にされますので、気が抜けません!(50代/男性/個人事業主・フリーランス)

アンケートの結果、特に害虫駆除に苦労したという声が多数挙がりました。家庭菜園で野菜を作っている人は無農薬栽培の人が多く、いかに害虫をよせつけないかが課題になっているようですね。

野菜作り初心者さんが押さえるべきポイントと作りたい野菜

挿絵2野菜作り初心者さんが家庭菜園をするなら、土作りから始めます。畑の石と雑草を取り除いて鍬でたがやしたら、元肥と酸性改良資材を使って、土の酸性度と土壌コントロールを行います。もし庭がないならば、プランター栽培がおすすめ。土作りは基本的に家庭菜園と同じですが、プランター用の土はあらかじめ腐葉土や堆肥などが混ざっているタイプも利用できます。野菜の種類は大まかにわけて3種類。果菜類は果物を食べるタイプの野菜で、圧倒的に夏野菜に多いです。葉菜類は葉っぱや茎を食べるタイプの野菜で春や秋の収穫で多く、根っこを食べる根菜類は秋収穫が多いです。野菜作りに慣れていない人には、比較的に作りやすいサツマイモがおすすめです。プランター栽培ならミニトマトに加えてバジルを植えましょう。トマトとバジルはコンパニオンプランツの関係にあるので、一緒に植えるとお互い丈夫に育てることができます。

野菜作りは種の選び方で決まる!選び方のコツとは?

挿絵3野菜作りを成功させるなら、種の選び方は重要です。種を選ぶ際のチェックポイントは、発芽率、採取年月日、耐病性の3つです。発芽率とは、まいた種に対して発芽する種の割合を示したものです。採取年月日とはいつ種を採取したか、耐病性とは病気に対しての耐性を示しています。発芽率が低いとその分だけ発芽させるのが難しいですし、耐病性が低ければ病気になりやすく栽培が難しいです。種は新しいほど育てやすいので、採取年月日が古いものはNGです。種の選び方次第でその後の野菜作りが変わってきますので、種はこの3つを必ずチェックするようにしてください。また、種にはそれぞれ発芽適温と生育適温があり、発芽適温より地温が高い時期に種を植えても、うまく芽は出ません。生育適温も同様ですので、自分が住んでいる地域が寒冷地なのか暖地なのか、種まきの標準時期と自分の住んでいる地域にどれくらいのズレがあるのかなど、しっかり確認するようにしましょう。

野菜作りをするなら覚えておきたい種まき方法3つ

野菜作りといえば種まきですが、種類によって種から育てたほうが良いのか、苗からの方が良いのか違います。種まきに向いているのは、ダイコンやジャガイモなど、直まきでも十分育つ野菜です。種まきの仕方は大まかに3種類あり、点まきは穴をあけた中に種を2粒~5粒まく方法、ばらまきはその名の通り畝にばらまいて軽く土をかぶせる方法、すじまきは畝につけた筋の上に等間隔で種をまく方法です。この3つは野菜作りにおいて基本のまき方になるので、ぜひ覚えておきましょう。種まきをしても芽が出ない場合は、発芽適温と地温がマッチしていない可能性があります。マルチングさせて地熱コントロールをするか、芽出しをして発芽させるかなどの対応が必要です。

野菜作りに欠かせない土!良い土の条件とは?

挿絵4野菜作りに適した土とは、弱酸性で水はけの良い土壌です。また、根菜類は形がいびつにならないように、葉菜類や果菜類はしっかりと根を伸ばしてもらうために、土はやわらかく耕し、小石や雑草などはすべて除去する必要があります。まず畑の畝を作る際には、スコップ、鍬、肥料、苦土石灰などを用意しましょう。最初に、スコップで土地を掘り起こして小石を取り除きます。次に、鍬で畑の土を裏返すようにリズムよく耕していき、軍手をはめた手で土を細かく潰していきます。野菜によって若干違いますが、栽培に適した酸性度は弱酸性です。pH測定器を使って土壌の酸性度を図ったら、苦土石灰を混ぜてください。日本の土壌はだいたい酸性に傾いていることが多いので、苦土石灰を混ぜることで中和させます。肥料も混ぜて再び耕したら、溝を掘って畝を作って完了です。野菜作りの基本は、この土壌作りにあると言っても過言ではありません。しっかり土の作り方を覚えて、立派な野菜を作りましょう。

肥料の与え方を間違えるとダメ!野菜作りのコツは最低限の肥料で

野菜作りに欠かせない肥料には、三大要素と呼ばれる成分があります。チッ素とリン酸とカリウムは、野菜のみならず植物を育てるときには欠かせないものです。チッ素は葉や茎を育てるため、葉肥と呼ばれています。リン酸は花や実を育てるので実肥、カリウムは根や茎を育てるので根肥と呼んでいます。市販の肥料には、単一肥料と複合肥料の2種類があります。単一肥料は1つの養分のみが配合された肥料で、それぞれをブレンドする必要があります。初心者の野菜作りには少々ハードルが高いので、バランスよく養分が入っている複合肥料を使うのがおすすめです。早く野菜を育てたいと肥料を多く入れる人がいますが、これは逆効果です。最初に土壌を作ったら、理想はそのまま追肥をしないで育てきることなのです。これが難しいようなら、足りない分だけ追肥をするのがコツです。肥料は野菜から少し離れたところに与えることもポイントです。肥料が根っこに当たると根が傷んでしまいますので、十分気をつけてください。

野菜作りは時期が大切!それぞれの季節にあった野菜を植えて

上手な野菜作りのポイントは、栽培時期にあった野菜を育てることです。だいたい冬場の農家はオフシーズンになることが多く、野菜作りではなく土作りをする時期です。ただ、冬の間でもしっかりと育つ野菜はあり、ホウレンソウはそのなかで代表的な作物です。低温の状態に置いたほうが発芽しやすいので、冬でも安心して種まきができます。春は急激に下がる気温に注意です。生育適温より地温が下がると発芽しませんので、種まき後はマルチングをして、地温を保ってください。夏の時期はほぼ果菜類が旬で、春まき夏収穫とおぼえておきましょう。涼しくなる秋は、ナスやトマトなどの夏野菜もまだ収穫できますし、秋の味覚サツマイモやレタス、チンゲンサイなどの葉菜類も収穫できます。

野菜作りに興味がある人がとっておきたい資格3選

野菜作りに役立つ資格としては主に3つあります。日本農業検定は、農作物の栽培方法や農業全般に加えて、環境や食についての知識の習得を目的とした資格です。3級から1級まであり、級数が小さくなるほどにレベルが上がっていきます。農薬管理指導士は、都道府県知事が認定する資格で、農薬を扱う人を対象にしています。試験を受けるには2年以上農薬を使用している現場で働いたことが条件になります。そのため、野菜作りをしたい人向けというよりは、就農者などのプロ向けの資格でしょう。一般財団法人日本土壌協会が認定する土壌医検定は、土作りに関して高度な知識と技術を持っていることを証明する資格です。等級は3級から1級まであり、1級合格者は生産者に指導ができる高度なレベルにあることを証明できます。

基本があれば野菜作りは上達する!

野菜作りに欠かせない土や肥料、種などの知識は、家庭菜園でも本格的な農業でも必要になる基本知識です。基本があれば、野菜作りのレベルはグンと上がります。また、種まきや植えつけ時期の見極めも大切です。自分の地域が温暖地なのか寒冷地なのかを念頭に置いたうえで、野菜作りに励みましょう。もしレベルアップをしたいなら、今回紹介した資格を通して勉強してみるのもおすすめです。知識を深めて野菜作りを楽しんでください。

『野菜作りに興味はある、でも何かと難しそう』そんな方にはシェア畑がおすすめです

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