野菜作りに欠かせない!上手な種の選び方

挿絵1野菜作りを成功させるには、上手な種の選び方がポイントです。ホームセンターやスーパー、100円ショップや通信販売に至るまで、さまざまな場所で種を購入することができます。しかし、種は必ず発芽するわけではなく、芽が出たあとも丈夫に育ってくれるかは種の状態に左右されます。果たして良い種の条件とは何か、上手な種を選ぶポイントはどこにあるのか、野菜作りを始めたばかりの人へ向けて、種の特性や種類に焦点をあてて紹介していきます。

良い種とはどんな種?

挿絵2発芽率が高く耐病性があり、採取年月日の新しい種は育てやすい傾向にあります。発芽率とは、まいた種の数に対してどのくらいの割合で発芽するかを示した割合です。発芽率が低いとたくさん種をまいても芽が出にくく、育ち方も差が出やすくなります。耐病性は、病気に対しての耐性があるかどうかを示しています。病害虫に弱い品種は、きめ細やかな管理が必要になるので野菜作り初心者には向きません。採取年月日は、いつ採取した種なのかを示した年月日です。新しい種のほうが発芽率は高く、古くなればなるほど発芽率が下がります。発芽率、耐病性、採取年月日は種の袋に記載がありますので、購入前は必ずチェックしたいポイントです。種は高温多湿や直射日光を嫌うため、保管方法によっては種が劣化するケースもあります。いくら新しい種を購入しても、保存方法が悪いと発芽率は一気に下がります。ホームセンターやスーパーなどで種を購入する際は、店内売り場で販売してある商品を選びましょう。どの種が良いのか迷ったら、専門店やホームセンターの店員に聞いてみるのもおすすめです。購入後は必ず密閉容器に入れて、直射日光の当たらない冷暗所に保管するようにしてください。

野菜の種は何をポイントに選んでいる?

挿絵3すでに野菜作りを開始している先輩方に、上手な種の選び方について聞いてみました。


種選びは基本を押さえて!専門家に聞くのもマル

  1. 本格的な設備や経験がなくても育てやすい品種かどうか。種を見て選ぶ際はいびつな形のものがないか、カビが生えていないかどうかを見て選ぶ。(20代/女性/個人事業主・フリーランス)
  2. その種が自分の栽培環境に適しているかどうか。せっかくまいても日照条件や気温が合わず、ちゃんと育たないのでは残念ですので、それだけはよく確認するようにしています。(30代/男性/正社員)
  3. ネットで調べて、病気や虫に強いものを選びます。最後には種苗店のスタッフさんに話を聞いて決めます。(40代/女性/専業主婦)
  4. ほぼ必ず成功する夏野菜(キュウリ・枝豆など)は問題ないのですが、発芽に条件がある植物や限定された気候のみ育つ植物は選ばないようにしています。(20代/女性/正社員)
  5. 家庭菜園なので、あまり量の多くない少ないパックのものを買います。あとはできれば国産の種。(50代/女性/専業主婦)
【質問】
野菜の種を選ぶ際に、どのような点に注意して選んでいるか教えてください。
【回答結果】

フリー回答

調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年08月02日~2017年08月09日
有効回答数:223サンプル

インターネットや書籍で調べたり、店員に聞いたりなど、いろいろな方法で情報収集をしながら種を選んでいるようですね。すでに野菜作りを始めている人は、種の選び方で野菜の育ち方が変わることを把握している人が多いと言えそうです。

種にするか苗にするか… 選ぶポイント

野菜作りを成功させるポイントとして、種から育てるか苗から育てるかの違いがあります。種と苗、より育てやすいのは苗を植えつける方法です。種を直まきする場合、発芽まではていねいに水をやり、温度調整にも気を遣う必要があります。品種によっては発芽までかなりの手間がかかり、野菜作りを始めたばかりの人にとっては、少々ハードルが高いと言えます。一方、直まきで十分丈夫に育つ品種や、根が傷みやすいので植えつけには向かない品種もあります。一般的に、トマトやキュウリ、ナス、ピーマンなどは苗から植えつける野菜で、大根や人参、ハクサイ、ほうれん草、エダマメなどは種を直まきして育てる野菜です。苗を購入する際も種と同様、良い苗の選び方があります。見極めるチェックポイントは、葉の色、茎や根の太さ、茎の節間の3点です。葉が大きくて分厚く、濃い緑色をしているか、茎は太くて根がしっかりと張っているか、茎の筋間がしっかりしているかどうかなどを、しっかりチェックとしてください。葉が弱々しく黄色く変色している場合は、病害虫にかかっている可能性があるので購入は避けます。売れ残りの商品には手を出さず、なるべく新鮮な苗を選ぶようにしましょう。

地域と気候と季節で種を選ぶ

種にはそれぞれ発芽適温や生育適温が決まっており、地域や季節で使い分けるのが種の上手な選び方です。日本は国土が小さい割にハッキリとした四季があり、地域によって気候もかなり違います。野菜作りの観点から、北海道・東北地方、冷涼な高原地帯などを寒冷地、関東地方より以西を温暖地、四国地方や九州地方、沖縄などを暖地とするのが一般的です。寒冷地と暖地では育つ野菜の種類は異なり、同じ野菜でも種まきや収穫時期は変わります。初心者でも育てやすいサツマイモを例に取ってみましょう。サツマイモの生育適温は25度~30度、地温は22度~26度です。温暖地の場合、植えつけは5月中旬から6月初旬に行い、収穫は霜が降りる前の10月から11月中旬までがシーズンです。暖地の場合は5月初旬から6月中旬までが植えつけ、9月から11月までが収穫と、栽培シーズンが長くなります。逆に寒冷地では、植えつけが6月初旬から中旬にかけて、収穫は10月初旬から中旬までと、全体的に栽培シーズンが短くなります。野菜の栽培に適した季節をまず頭に入れておき、自分が住んでいる地域ではどのくらい気温にズレが出てくるのかを考えると、上手に選ぶことができます。

まとめ

歴史の古い野菜のほうが原種に近く、強く丈夫に育ちやすいという特性があります。逆に、育ちにくい野菜でも品種改良を重ねて耐病性をアップさせた野菜も存在します。種の袋に商品の特性や栽培方法、選び方などが記載してありますので、購入前によく読んでおくと選ぶ際の参考になります。良い種や苗を選ぶことが上手な野菜作りの近道です。時には専門スタッフに聞いたりインターネットで調べたりしながら、上手に種を選んでください。

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