就農したい、半農半Xの生活をしたい、田舎で農的暮らしがしたいなど、農業を学ぶ理由は人によってさまざまです。脱サラして農家になりたいと思う人も珍しくありません。農業を本格的に学ぶとなると、農学校や農業大学に通うか、農家に弟子入りする方法があります。しかし、サラリーマンをやめていきなり農業の世界に飛び込むのは少々リスキーでしょう。そこで今回は、サラリーマンのまま農業の勉強をするための、3つの方法を提案します。どの方法が一番自分にあっているのか参考にしてみてください。
土日だけ農家でバイトする
新規就農を目指すには、農家で働きながら実践的スキルを身につけていく方法があります。住み込みで毎日農業に従事する場合もありますが、現在は土日のみアルバイトを雇っている農家も少なくありません。そこで、平日はサラリーマンをしながら、土日だけアルバイトで働ける農家を探してみましょう。探し方はいくつかあります。まず、農家専門の求人を扱っている企業のwebサイトで検索します。サイトによって少々違いはありますが、大体は入力フォームに希望の都道府県と業種、その他条件などを入力すると、条件にあった求人情報がでてきます。そこで気になる農家があれば詳細ページのリンクをクリックして、応募要件を確認してみてください。もし知人や親類が農家だったら、土日だけ雇ってもらえないか聞いてみるのもひとつの方法です。お互い顔見知りであれば相手も仕事を頼みやすく、雇われる方はわからない点などを質問しやすいメリットがあります。出張など本業のほうで急な仕事があっても、バイトの方は調整してもらえるでしょう。しかし、労働条件の交渉は自分で行う必要があり、知り合い相手に給与の話がしにくいデメリットもあります。もし求人を見てもどの農家がいいのかわからなかったら、JAや自治体などに相談してみるのもおすすめです。農業は常に人不足が続いているので、意欲ある人は歓迎され、わからないことには丁寧に教えてもらえる可能性が高いと言えます。
レンタル農園で週末農業
農作業や農作物の栽培が未経験で、いきなり農家でのアルバイトはハードルが高いという人は、レンタル農園で週末農業をしてみましょう。農園によって方針は違いますが、講習会や栽培指導などを行っているケースも多く、農機具を無料で貸し出してもらえたり、講習を受けることで苗や種を支給してもらえたりすることもあります。栽培できる野菜は地域や農園によって違いがありますが、人参やジャガイモ、サツマイモなどの定番常備野菜は、大体どこの農園でも対応しています。市民農園は人気が高く、地域によっては応募しても選考から漏れてしまい、契約できない場合があります。畑を借りることができないと野菜の栽培もできませんので、複数の農園も応募しておくようにしましょう。最初はもう少し気楽に農業のことを知りたい人は、市民農園や農業法人などで開催している体験農業がおすすめです。農家の指導のもと田植えをしたり農作物を収穫したりなど、体系的に農業を学ぶというよりは農業を学ぶためのとっかかりをつかむことができます。季節によって体験できる農作物は違いますので、どの時期に何の野菜を扱うのか、確認しておくようにしましょう。
サポート付き農園をお探しであれば、シェア畑がおすすめです
農園には経験豊富なアドバイザーが在籍、無農薬、有機肥料を使った安全でおいしい野菜作りを体験できます。 栽培テキストや豊富な栽培資料を使った実演付きの講習会を定期的に開催。季節ごとの野菜の種や苗、肥料、農具は全て農園に完備しているので、手ぶらで気軽に始められます。 詳しくは下記のバナーからHPをご覧ください。
土日に学ぶ週末農業学校とは?
農業大学や農業大学校ではなく、サラリーマンやOLなどの社会人向け週末農業学校に通う方法もあります。週末農業学校のメリットは、何と言ってもサラリーマンを続けながら体系的に農業を学べることです。農業概論、土壌学、植物生理学など専門的な知識を学習でき、土壌づくりや栽培に関する実習なども行っています。座学で得た知識は実習中に活かすことができ、土や肥料、農作物の様子を間近で見ながら知識を再確認することもできます。また、農作業に関する技能はもちろんのこと、農業経営や農業会計、就農の知識など、経営者として必要な知識も学習可能です。新規就農者のなかには、残念ながら会計や経営に関する知識がなく、数年で離農してしまうケースがあります。就農というとどうしても農業のスキルにばかり目が行きがちですが、農家はいわゆる自営業ですので、経営者としての手腕は多いに問われます。農業簿記という専門分野があるくらい、農家にとって経理の知識は必要なのです。農業と経営の両軸を総合的に勉強できる週末農業学校、将来の就農を本気で考えている人は、ぜひ入学を検討してみましょう。
サラリーマンのまま農業の勉強をするには?
定職についたまま農業の勉強をするならどの方法が良いと思うか、アンケートを実施しました。
- 【質問】
- 定職についたまま農業の勉強をするなら次のうちどの方法が良いですか?
- 【回答結果】
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回答 回答数 週末だけ農家でバイト 115 レンタル農園で週末農業 64 土日に通える週末農業学校 63 調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年08月02日~2017年08月09日
有効回答数:242サンプル
農業はお金を稼ぎながら実践的に学びたい
アンケートの結果、半数近くの人が「週末だけ農家でバイト」を選びました。2番目に多かったのが「レンタル農園で週末農業」、3番目は僅差で「土日に通える週末農業学校」となりました。
- プロの農家さんと一緒に経験したほうが、身につきやすいと思います。いろいろな知識を教えてくれそう。(20代/女性/専業主婦)
「週末だけ農家でバイト」を選んだ人は、実践的に学びたい、お金を稼ぎながら勉強したいという意見が多く見られました。
- 子どもが小さいうちは、自分のペースで勉強したいので、自分なりの方法でレンタル農業かなと思いました。バイトと悩みましたが、バイトだと時間に縛られてしまうので、レンタルを選びました。(30代/女性/パート・アルバイト)
マイペースに楽しんで学びたいという人は「レンタル農園で週末農業」を選ぶ傾向にあるようです。
- 農業は実践も大切ですが最低限の農業に関する知識も必要だと感じています。土づくりや害虫駆除方法など、野菜を栽培する以外の知識なども必要なので学校で学んだほうが効率的だと思います。(50代/女性/個人事業主・フリーランス)
「土日に通える週末農業学校」を選んだ人は、本格的に農業を学びたいと思う人に多いようです。
同じ農業の学習でも、実践的に学びたいのかマイペースな学習がいいのかで、選ぶ回答がハッキリとわかれました。
まとめ
毎年農家の数は減っていますが、新規就農者のための取り組みは少しずつ増えています。昔よりも農家になるための勉強はしやすくなっており、サラリーマンのまま農業を学ぶことも不可能ではありません。今回紹介した3つは、どれも週末農業で学習できる方法ばかりです。どの形態が自分に合っているのか、将来の展望とあわせて考えてみてください。