農業に従事することとは
現状で、土地を持ち、農業に関する耕耘機などの設備投資をし、収穫して出荷するまで収入が見込めない、といった従来の農業に、経済的に厳しい若者が従事することはほぼ不可能です。大きな投資額が必要ですし、しばらくの間兼業も兼ねなければなりません。それに、農作業をせず、他の仕事をする訳にはいきませんので、時間の自由も無く、厳しい生活環境に追い込まれてしまいます。これでは新しい農業の担い手は育ってくれません。若者の農業就労を期待するのであれば、一人前の農業従事者になるまでは組織で働き、ノウハウや育て方、土地の購入資金の貯蓄などステップをふまなければならないのです。
農業法人と就労機会
そうなってくると、ある程度の人数を毎年定期的に雇用できる企業が必要になります。ただ、個人事業ではないので、きちんと農業一本で利益を出せることが条件になります。こうしたことをクリアするためには、何度も書いてきたとおり、大規模な農地経営で、オートメーションによる機械化、自動化、営業活動やプロモーション戦略による販路拡大など一般企業と同じ様に競争、合理化された組織体である必要があります。そうでなければ、利益の上がらない会社ではいずれリストラや給与不払いなど問題が起き、更なる農業の人不足を加速させてしまいます。
影響力の大きな法人として
やはり、これからの農業のビジネスモデルとして、このような大規模で高収益型を目指せば、それに憧れる人も多く出ますし、将来の目標として設定する人も出来るでしょう。そうなれば、ノルウェーの漁業のように、雇用の需要の高い産業になるはずです。営業、プロモーション兼ねて、生産性が高く合理的、高収益で従業員への利益配分も高いといった、影響力の大きな農業法人の登場が日本には必要と言えます。