人不足の農業には若者が必要
少子高齢化や都市への人口流入、一極化によって慢性的な人不足に陥る農林水産業ですが、やはり再生のカギは若者の雇用受け入れにあると言えます。まずひとつに、農林水産業の技術を次の世代に教育し伝承すること、これは産業という意味で持続するためにとても重要な課題です。また、技術の伝承だけでなく、現在の耕作放棄された農地の活用や、既存のインフラの活用で、新しい農業を目指す若者に就職機会を与えることも可能です。どんどんと若い世代が育ち、活性化され続ける産業になれば、その後の日本の競争力の向上にも繋がりますし、なにせ活き活きとした魅力的な仕事になるでしょう。
ただし、高利益、高度技術職化が必要
しかし、生産年齢人口が減り続けるなかで、若者の獲得は難しくなります。それに都会では他の魅力的な仕事がたくさんあります。社会全体の雇用の需要は高く、人気職業にばかり雇用が集まる、そんな時代が目の前に来ています。農林水産業がこういった若者に受け入れられるためには、前項で書きましたような高度な技術化、合理化、大規模経営による高収益ビジネスモデルが必要になってきます。こういった職業になれば、地方であっても雇用は望めますし、なにより地方の活性化にも繋がります。アメリカや北米、南米など諸外国の大規模高収益な農業のビジネスモデルを見習い、そして農薬や、食の安全といった不安要素を排除できる農林水産業へと日本のそれは変革していかなければなりません。また、インターネットやプロモーションの手法を駆使して、マッチングサイトやイベントといった活動のなかで新たな就業者を見つけるのも重要なポイントです。日本の農業が変革し、若者が活き活きと働ける職場にするには、大きな変革がいま必要とされているのです。そのために、できることは、多くの企業が参加して、新しい農地経営スタイルを作ることが非常に重要なのです。