農業を学ぶ手段としては、大学や大学校で勉学に励む方法、農業法人に就職あるいは研修生として入って働きながら学ぶ方法があります。しかし、農業で稼ぐために必要な知識に関する本も数多く販売されているのが現状です。そのことを踏まえると努力次第で独学でもできそうなイメージがありますが、実際には可能なものなのでしょうか?可能だとしたらどれくらいの難易度なのかも知りたいですよね。独学で農業の勉強に関する情報をまとめました。
独学で農業の勉強をする!果たして可能?
農業を学ぶ方法は数多くありますが、独学という手段を取る人はどれくらいいるものなのでしょうか?そもそも独学が可能なのかどうかも気になりますよね。そこで、農業の勉強が独学でできると思うかどうかに関するアンケート調査を行いました。
- 【質問】
- 農家になるための農業の勉強は、独学でできると思いますか?
- 【回答結果】
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回答 回答数 思う 26 思わない 74 調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年06月16日~2017年06月23日
有効回答数:100サンプル
思わない人が大半!独学は難しい?
アンケートの結果、全体の約7割の人が独学はできると思わないと答えていました。
- 頭では理解できますが実際の作業等は教えて頂く必要が有ります。(70代/男性/無職)
- できることは限られそうなので難しそうです。(40代/女性/専業主婦(主夫))
- 農家育ちじゃない人が始めるなら、やはり指導者の助言の元でやるべきではないかと思います。(40代/女性/個人事業主・フリーランス)
独学だと頭では理解できても実践となると話が変わってくると考える人が多いようですね。きちんとした指導者の元でやらないと詳しいことはわからないままになってしまうと考える傾向にあるといえそうです。
一方で独学は可能だと思うと答えた人は約3割という結果です。
- 今はそういう参考書やネットで情報がたくさんあるので、独学でもいけるとおもいます。(30代/男性/正社員)
- できるといえばできるけど大いなる遠回りになるであろうことだ(30代/男性/正社員)
- ある程度は独学でも大丈夫かと思いますが、誰かに教わる方が早く必要な知識が手に入るとは思います。(40代/女性/パート・アルバイト)
参考書やインターネットの情報が溢れているため、独学でも十分な知識は得られると思うようです。ただし、誰かに教わったほうが良い、遠回りになってしまうなどといった意見も少なくはなく、独学が非効率だと感じる人が多いことがわかりました。
結果としては独学が難しいと思う人のほうが多いことがわかりましたが、実際のところはどうなのでしょうか?独学でできる勉強の実態を見ていきましょう。
独学でできる勉強とは?
結論からいえば農業関連の参考書は数多く世間に出回っているので、真面目に取り組みさえすれば座学に関する知識を得ることは十分に可能です。むしろ、農業法人で働きながらだと学問的な知識を学ぶのはなかなか難しいものです。農業関連の基本的な知識については経営者や先輩に教えを乞うよりも参考書を読み込んだほうが得られる知識は多いでしょう。農業に関する知識を独学で極めたいのであれば、一冊の本だけに絞り込むのではなく、何冊もの参考書を読み込んで知識を蓄えることをおすすめします。独学で勉強できる項目には限りがありますが、農業に特化したものだけには限らず、経営学や簿記、市場の流通に関する知識の本などは有効的に活用できるでしょう。
独学で本を読む程度であれば、働きながらでもできますし、農業に興味はあるけれど、本格的に始めようかどうかはまだ迷っている段階でも気軽に取り組めるのが魅力です。資金も書籍代程度ですから学校に通うような高額のお金を用意する必要はありませんし、手軽に学ぶことが可能です。ただ、本気で農業を始めたいのであれば、自分を追い込んで集中して勉強に取り組む姿勢が求められるでしょう。
独学だと難しい勉強とは?
基本的な知識や経営学、簿記などに関する知識は参考書を使って独学でも得ることが可能ですが、自力ではなかなか難しい勉強もあります。もちろん、さまざまな参考書が本屋で販売されていますし、必要であればインターネット上で検索をかけることもできますから、得られない知識がないわけではありません。ただ、頭では理解できていたとしても、実践できる機会がないとなるとなかなか身に付けることはできません。実際にやってみて初めてわかることもありますし、そもそも農作業における失敗や成功の経験を培うことは独学では難しいものです。
また、将来的に就農したいのであれば、地域とのコミュニケーションを取る活動は欠かせません。販促ルートを確保するためにはもちろん、農業は地域と上手く付き合っていけてこそ経営が上手くいく業界ですから、地域のコミュニティーに溶け込む必要があるのです。独学で勉強をするとなると率先的に行動を起こさなければ、地域の人達との交流の場を設けるのは難しくなります。最初のうちは本だけで勉強をするにしても、徐々に独学から本格的な勉学や研修などに参加していく姿勢を取るべきなのは確かです。
独学で勉強できないことはセミナーや研修で補おう
独学で勉強を進めていて行き詰まってしまったと感じたときに有効なのは民間企業や自治体が行っているセミナーや農業研修に参加することです。講演型のセミナーであれば、経験者や専門家の意見や考え方、経営方針などを知ることができます。質問コーナーがあれば、色々なことを教えてもらえるチャンスですから、独学ではわかなかったことに関する質問もできるでしょう。実際の農業を経験できる研修の場合は、一定期間を住み込みで働くことになりますから、本格的な農作業の流れを覚えられます。独学では手軽にできない実践が行えるので得られるものは大きいです。
セミナーや研修は独学以上に農業への理解を深められることだけがメリットではありません。これらの勉強を通して、知り合いや親しい人を作ることが可能です。勉強の段階で人脈を意識したコミュニケーションを取ることで、後で思わぬビジネスチャンスが転がり込むこともあります。地域への密着や農業関係者との接点は、これから就農するうえで大切な財産になるのは確かです。人づてに新たな知識や情報を得られる機会もありますから、セミナーや研修で知り合った人との交流は絶たないようにしたほうが良いでしょう。
まとめ
農業の独学方法について解説してきましたがいかがでしたか?独学でも座学であれば問題なく勉強はできるものの、実践で得られる知識や技術については独学ではなかなか容易ではありません。最初のうちは良いですが、本格的に農業を始めたいと考えているのなら、セミナーや研修への参加を検討するべきなのは確かです。農作業に関する知識を深めるためなのはもちろん、就農をスムーズに行っていくためには地域とのコミュニケーションや人脈の確保が欠かせないので、できる限り参加することをおすすめします。