一念発起して農業を始めても、上手くいかず辞めてしまう人は少なくありません。就農しようとすると多くの準備が必要です。せっかく時間と費用をかけて準備をしたのに、無駄になるのは避けたいところでしょう。特に脱サラして、生活の主な収入源として見込んでいるなら尚更です。どのような原因で失敗してしまう人が多いのでしょうか。就農前に知っておけば参考になるかもしれません。そこで今回は、就農で失敗する人たちの共通点などを紹介します。
農業を始めた理由に問題があるケース!決意が足りない
農業を始める理由は人によってさまざまです。失敗してしまった人は、理由に問題があった可能性があります。農業も仕事である以上、収入を得るために始めるのは当然といえます。しかし、農業を他の仕事と同じように考えない方が良いでしょう。他の仕事の常識が通用しない点が多くあるからです。たとえば一般的なオフィスでの仕事のように、定時の勤務制度で働くわけではありません。早朝から夜遅くまで働くことが多く、状態の良い農作物を育てるには、毎日しっかり情熱を注ぐ必要があります。それでも天候などの影響で、十分な成果を得られないことも珍しくありません。それでも前向きに取り組む精神力の強さが求められます。そのため、「就職先が見つからない」「今の仕事が気に入らない」などの安易な理由で農業を始めると、長続きしない可能性が高いです。農業を続けていくには己を律することが必要になります。少しでも手を抜いてしまうと、その影響が農作物の状態や収穫量に顕著に現れることが多いです。土づくりから出荷まで、地道な作業を毎日積み重ねていく決意が必要です。
お金を稼ぐ取り組みが不十分なケース!農作業以外も必要
農業で行うのは、農作物を育てることだけではありません。それを理解せずに就農すると、お金を稼げずに失敗してしまう恐れがあります。収入を増やすには、どのような農作物が求められているのかを把握しなければなりません。市場調査などを行い、マーケティングに取り組むことも重要な仕事なのです。他の農家の育てた農作物との差別化を図るための工夫も必要になります。自分の農作物のブランディングに取り組んで、消費者に選んでもらえるようにしなければなりません。そのために品種改良を行うこともあるなど、専門知識を用いた学術的な仕事の一面もあるといえます。また、いくら素晴らしい農作物を育てても、出荷先がないと収入を得られません。出荷先が見つからない場合は、地域の直売所を利用させてもらうなど、商売人として上手く立ち回ることも仕事になります。思うように売れない時期が続くなら、収穫した農作物を加工した商品を販売するなどの工夫も必要です。そのようなアイデアを考えることも仕事の一つになります。
他にもある!就農を失敗する人の共通点
上記の2項目以外にも、就農に失敗する人には共通点が見られます。たとえば、そもそも農業が好きではない人は失敗しやすいです。自然の中で仕事をすることを楽しめる人でないと、辛いと感じることが多いでしょう。人付き合いが苦手な人も成功するのは難しいです。出荷先を確保したり地域に定着したりするには、コミュニケーション力が欠かせません。就農したばかりの頃は分からないことが多いので、農家の先輩や仲間に相談できないとスムーズに仕事を行えない恐れがあります。農業を行う環境は田舎であるのが一般的であり、都会ほど人間関係が希薄ではありません。地域の活動に参加するなど、積極的に馴染もうとする姿勢が大切です。また就農した時点で、お金の蓄えが少ない場合は失敗しやすいです。就農しても最初は技術を磨いたり出荷先を開拓したりするのに時間がかかり、収入を得られない時期が続くことも珍しくありません。蓄えが少ないため、その時期を乗り切ることができず、農業を辞めざるを得なくなる人も見受けられます。