新規で農業をしたいと考えていても、自分の周りに農家の知り合いがいない場合や、都会で暮らしている方にとっては、まず何から始めたらよいかと悩んでしまうのではないでしょうか。新規就農についての情報は現在さまざまなところから収集可能にはなっていますが、調べれば調べるほど準備することがたくさんあることに気づくでしょう。農業に興味がある方に対してどのような支援や期待があるのか、また、就農するにあたり知っておきたい現状や心構えについて紹介します。
新規就農を希望するにあたって
農業を始めるといっても、どこで、どのような規模で、何を生産するのかなど就農希望者の方の考えはそれぞれ違うでしょう。また、新規就農者の受け入れや、知識や技術を教えることが可能な農業法人や一般農家の方が存在していたとしても、細かな情報がなかなか得られないことも多いのが現状といえるでしょう。しかし、新規就農者に対する期待があるのも事実であり、国や自治体などでは政策をつくり新規で農業を始めたい方に対してさまざまな支援を行っています。新規就農者に支援をするその主な理由としては、農業に従事している方が高齢化している現状があります。さらに、農業を引退したけれど後継者がいない、農業人口の自然な減少などに伴い利用可能な農地であるにもかかわらず休耕地が存在しているという背景があります。このような理由から、特に年齢層が比較的若い新規就農者に対しては、将来の国内農業を維持する次の世代の担い手としての期待が高まりつつあるといえます。
新規就農者に対しての支援策
新規就農者がまずおさえておきたいことは、農業を始めるにあたって得られるさまざまな支援策です。最終的に農業で生計をたてられるようになるために必要な支援が提供されていますので、積極的に利用するとよいでしょう。具体的な支援策の内容は多岐に渡っています。新規就農者は同じ場所での農業や同じようなスタイルの農業を目指しているわけではありません。そのため、新規就農希望者が必要とすることに合わせて支援をしてくれるのです。まず、就農に興味がある段階の方に対しては、就農に対する個別の相談に応じてくれます。次に、具体的にどこで、何を生産するかがイメージできている場合には、受け入れ農家を紹介し、研修の手配やサポートなどの支援を受けることが可能です。さらに、農業の技術や知識が得られている段階では、農地を斡旋してもらったり、どのように販売していくのかを支援してもらったり、経営計画に対しての支援を受けることができるでしょう。
新規就農者が知っておきたい心構えとは
就農者の減少や高齢化により農業全般の技術的な支援や経営計画に対する総合的な支援が受けられる可能性が高いので、新規就農者にとっては不安を解消してくれる手助けになりますし、心強いといえるのではないでしょうか。しかし、今まで土地勘のない場所で新規で就農する場合には、さまざまな問題が発生することも事実です。例えば、新たに引越しをすることになるので、家族に小さな子どもがいる場合には転校しなければいけません。また、大人も近所の方や農業関係の方と人間関係を新たに構築していかなければならないので、その地域に溶け込むための日々の努力は欠かせないでしょう。そのため、最初に家族全員の理解を得ておくことがとても大切です。就農地の住居や農地の確保についても大変な問題がでてくる可能性があります。農業は気候などにも左右されますし、生産する農作物によっては多額な初期投資が必要になることもあります。将来的に農業で生計をたてるという目標をもっている場合、経営が軌道に乗るためにはそれなりの時間が必要になりますので、資金計画面でも行政のサポートを受けながら安定した経営を目指していく心構えが大切といえるでしょう。