情報技術(IT)と農業

世界的なインターネットの普及、またパソコン、スマートフォン利用者の拡大により、どの業界においてもインターネットの導入(=IT化の推進)は欠かせなくなってきています。農業界は、他業界に比べインターネットの導入は遅れているとされていましたが、昨今では急速にIT化が進んできています。
実際に現場を見てみると、農業界にも情報技術(IT技術)を駆使することで、作業効率を格段に上げたり、販売網を広げることで売上を急激に拡大させたりと、大きな成功を手にしている農業事業者さんも数多く存在します。
しかし、逆説的には、今後情報技術を取り入れていくことができない事業者さんは淘汰されていく可能性もあるのです。
ここでは、これからの農業と情報技術がどのように関わっていくのか、それにより農業界にどんな未来が待ち受けているのかを解説します。

IT農業、スマートアグリ

IT農業、スマートアグリ

農業もITで効率化!その具体例やトレンドを知る 農業にITを導入することで、そこにいかないと分からなかったことに加えて、今まで見えなかったことまで見えることで、農業の競争力を高めることができます。クラウドとセンサーを活用することで広がる世界があります。いったいどのような世界なのでしょうか。 栽培記録はタブレットで手軽に管理 農業情報の活用を行い、競争力ある農業を行っていくためには、生育状況をしっかりと、時系列に従い把握することが何よりも大切です。少し元気がないなとか、そういったことを感覚的に感じ、そういえば2週間前も同じような状況だったなと、いうことを「記憶」に頼ることが多いと思います。しかしながら、そういった記憶は曖昧性が高いため、しっかりとした事実の積み重ねを行い、必要に応じて振り返ることが大切です。そのために、栽培の記録をクラウドに保存し、タブレットでいつでも見れることは、大変便利です。今はさまざまなアプリが世の中にでています。タブレットで写真をとって、必要なら専用のタッチペンを使って、手書きの文字を書き加えるのです。そしてそれらの情報をタブレットに保存するだけでなく、クラウド側

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農業のIT化の必要性

農業のIT化の必要性

まずはじめに 現在、全世界的に急速なインターネットの普及や、スマートフォン、パソコンの普及などにより、情報技術(IT技術)の向上はめまぐるしいものがあります。こういった情報技術の革新の恩恵を受けて、現在日本では、どこでも欲しいものをインターネット上のショップやサイトを通じて購入することが出来るようになりましたし、天気や交通情報、ニュースなどもどこでも確認することが出来るようになりました。どんどん便利になり、私たちが日々行う仕事や家事、勉強に際してもこれらの情報技術は大きな恩恵を産み落としています。 では農業では それでは、このような情報技術と農業の関連性はどうなっているのでしょうか。残念ながら、高齢の従事者が多い農業では、これらの情報技術が余り活かされていないのが現状です。しかし、農作業のオートメーション化や栄養管理、農薬の散布履歴など多くの農業には情報技術を取り入れられる側面があります。これらを活かして、より良い農業へと変革していくことが、これからの農業の効率化、大規模化、魅力的な職種へと変わっていくのにとても重要な活用法であると言えるのです。 農業の情報技術導入例 まだまだ進んでい

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販路拡大のためのインターネットの活用

販路拡大のためのインターネットの活用

販路の改革であるインターネット 現在、インターネットの発達により実際に店舗に行かなくても、よりバリエーションの多い商品が簡単に入手できる時代になりました。体の不自由な方や、仕事が忙しくなかなか買い物に行けない方、子育てに追われる主婦などにとって、インターネットを利用した商品の購入は非常に便利な手段となりました。また、企業もインターネットを販売の場として意識する傾向が強くなり、マーケットとしては大きな成長を遂げている分野でもあります。販売形態もインターネットオークションやウェブショップ、産直販売など多岐にわ渡り、消費者も多彩な選択が出来ることが非常に大きなメリットとなっています。 農家がインターネット販売をするメリット では、このようなインターネット販売をするメリットとはどのような点にあるのでしょうか?まず、インターネットは回線、もしくは携帯電話キャリアの電波さえあれば日本各地、どこでも接続可能な媒体です。それこそ、昔は山村から都会に行商で野菜を売っていた時代もありましたが、いまはそんなことをしなくても、インターネットを利用して、消費者に直接販売することが可能です。これをうまく活用できれ

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生産、販売管理のIT化のメリット

生産、販売管理のIT化のメリット

生産、販売管理の重要性 農業に限らず、商品を販売する企業、個人において、生産、販売実績を管理することは売り上げを上げる意味でも非常に重要な要素のひとつです。多くの企業は仕入れ、販売価格、需要見込み、実際の売り上げ実績など多くのデータを活用、駆使して経済活動に挑みます。ただやみくもに商品を製造して、市場に流したところでそれが売れるかどうかは全く分かりません。利益を出せる商品とは、消費者のニーズにあった独創的で、利便性の高いもの、なおかつ多くの人は購入できる魅力的な価格帯であることなど多くのポイントが存在します。多くの企業、個人は類似商品の販売実績やデータ、市場調査やマーケティングを用いて新商品開発をします。そして、販売し、広告を打ちプロモーションして、販売実績を取って次の新商品の開発に活かす、といった流れを汲むのです。 農業におけるこれらの応用 農業においても、もちろん生産、販売管理は重要なポイントです。ここが現在日本の農業には意識が少ない点なのですが、農家は消費者のニーズにあった、高品質でリーズナブルな農作物を作ることが望まれます。これがどのようなものを指すのか、販売、生産管理を通じて

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ネットビジネスで農作物の売買

ネットビジネスで農作物の売買

多様な販売促進方法 現在、先に書いてきたように、商品の販売方法、販売促進方法ともに多くの方法が存在しています。たとえば、昔は実店舗や生産者からのその場での直売など、基本的に店舗の形態である場所からの購入がメインでしたが、現在はインターネットの発達により生産者から直送で商品を購入できたり、さまざまな販売者登録サイトなどもあり、多彩で自分の好み、価格にあった商品が選択できる自由な市場が形成されています。また、商品の販売促進方法としても、以前はテレビCMや電車の中吊り広告といった有料で高額な広告が主体でしたが、インターネットの発達により、個人で資本がなくてもブログやSNS、無料動画などでのPRも充分に効果の得られるプロモーション手法として確立されました。逆に言えば、ものが売れにくい時代が進み、プロモーション形態も多様化して、何とかものを売るために切磋琢磨する時代となったといえます。ですので、個人や資本が無い人でも比較的商売が成功する可能性は増えたものの、商品を売る難易度は昔より格段に上がったとも言えるでしょう。 ネットビジネスで農作物を売るメリット そんな販売方法の内のひとつにネットビジネス

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農業の人不足はIT化で解消

農業の人不足はIT化で解消

アウトソーシング業とインターネット 近年、少子高齢化によりどの産業においても人材不足が嘆かれています。特に製造業や農業などは、ブルーカラーの不人気化で労働力人口は減少し、次世代の農業や製造業の担い手不足といった大きな問題に直面しています。これらは、仕事のノウハウややり方、技術の伝承や部下の育成といったその産業に必要不可欠な要素を含んでおり、このまま人材不足が続けば、産業自体の存続が危ぶまれてしまう問題でもあります。そこで、着目したいのがインターネットを利用した人材募集、アウトソーシングの実現と可能性です。 農業を希望する人は本当に少ないのか? 近年、食品の偽装や農薬混入、食中毒や輸入食品の危険性など、食品を取り巻くさまざまな問題点が生まれています。実際問題、日本は高度経済成長以降、食品の需要の爆発的な高まりの中、合成保存料や各種食品添加物の使用により、飛躍的に諸費期限を延ばし、食品の流通効率化を優先させてきました。しかし、近年増え続ける成人病やガン、アレルギーの原因としてこのような物質や農薬が謳われるようになり、多くの人の健康意識の高まりから、無農薬野菜や有機栽培の野菜の需要が増えまし

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農業起業家とIT戦略

農業起業家とIT戦略

新しい起業としての農業起業 このあいだ、テレビを見ていて脱サラしたサラリーマンの人が、田舎で農業を始めて、その商品が高品質で空前の人気を博しているという報道番組を見ました。ここで少しヒントに気付いたのが、彼のように成功できる農業起業家が日本には潜在的に多く、特に長年営業職、商品管理や企画販売などの仕事を続けてきた人にとっては、自分の作った商品のプロモーションの仕方、販売方法、販路の開拓などなかなか元々農家である人には難しい能力を持っていることが分かりました。現在の日本では、食の安全意識の高まりなどもあり、安全で高品質な農作物や米の需要が高まりつつあります。このようなニーズに応えられる農家はまだまだ少なく、このような状況を加味すると農業を介して起業するということは、もしかしたらこの先大きな魅力的なビジネスとなっていく可能性があります。また、多くの人が農業に参入して、ビジネスを行えるような環境を整備していくことも、今求められているといえます。 農業起業とインターネットやIT技術 どのような産業でも、新たにビジネスを立ち上げ、販売や商品管理、製造までを行うには多くの資本が必要になります。また

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IT化による作業効率化のメリット

IT化による作業効率化のメリット

遅れている日本の農作業の効率化 農業はまず種をまくための土壌を開墾し、種まき、間引き、水やり、収穫、選別、出荷など多くの作業が発生します。欧米諸国は技術革新により大きく農業は効率化し、オートメーションでの農作物の生産を可能にしていますが、日本の農業では、資本力の問題もありまだまだ遅れを取っている現状があります。従来通りの作業効率が悪い中での農作業は、高齢者が多い日本の農家には負担が多く、若者もこういった作業は好まない傾向があるので、なおさら農業の人不足は加速していってしまう一方であると言えます。また、農業が効率化できれば、より少ない人手で大規模な農場経営ができるなど、コスト面でのメリットも大きく、競争力の高い農業を目指すことが出来ます。それらに貢献するのが、インターネットを始めとする情報技術ですが、現在の日本ではこういった技術がまだまだ有用に利用されていないのが現状でもあります。 情報技術を用いた農業の効率化のメリット たとえば、種まきから収穫までの農業のプロセスや、その都度の病害などのアクシデントの予測、管理をしてくれる技術ソフトがあったとしましょう、そういった予測が可能になれば、使

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実業にも応用できるIT技術のメリット

実業にも応用できるIT技術のメリット

この回では主にインターネットやスマートフォンなどの情報技術の拡大と、農業におけるその有効活用法を書いてきました。私も、はじめはこのような情報技術は株や為替といった金融取引への活用がメインかと考えていましたが、農業や製造業へ活用して、人不足の解消や販路の拡大といった農業や製造業の抱える諸問題を解決していけるには十分可能性があると解りました。情報技術の向上の最大のメリットは、なんといっても日本全国どこでも、その人が得たい情報が得られるということでしょう。一昔前であれば、自分で足を運んで図書館で調べたり、店舗で見て確認したり、学校や専門学校に行かなければ得られない情報というのが当たり前の時代でした。それと比較すると現在は高度な情報化社会となりましたし、このようなメリットを活かし、衰退しかけている農業を活性化することは十分可能でしょう。 さいごに 情報化社会が生むメリットは一般企業や個人だけでなく、農家や畜産家といった実際の生産者も享受することが可能です。しかし、農家の高齢化や過疎化、人手不足などで、このような情報技術がまだまだ農業に活かされていない状況です。これからの日本の農業が衰退せ

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